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プロローグ
俺が今いる場所は謁見の間。
俺の前には王がいて、俺は王の前で跪き、頭を垂れている。
少し重い空気の中、王が喋り始めた。
「轟撃王クラッシュ、此度の悪しき魔王の討伐ご苦労であった。これで世界もしばらくは平和になることだろう」
「さて、さっそく本題といこうか。何か褒美を取らせよう。欲しいものはあるか?」
俺の欲しいもの……
それは……
「平和になったこの世界で安住の地を探す旅に出たいです」
「そうか、それなら旅に出るための金と、その有名になってしまった顔を隠すための認識阻害魔法を付与した首飾りを渡そう」
「ありがとうございます」
個人的には大分良い報酬だと思う。本当にありがたい。
「良いのだ。他ならぬお主の頼みなのだからな」
「さて、これで堅苦しいのは終わりだ。ここからは飲んで騒ぐぞ!!」
王の言葉を皮切りに様々な場所で宴が始まった。
城内、貴族街、城下町、スラム街、どこもかしこも騒ぎに騒いだ。
俺も例に漏れずここぞとばかりに飲んで騒いだ。少し飲み過ぎたくらいだ。
そして次の日。
俺は酷い二日酔いの状態のまま旅に出た。