6 いざ迷宮へ
三日後ーー。
無事訓練が終了した。その間宮藤率いる不良グループと一悶着あり訓練を中断せざるを得ない事態に陥ることもあったが、その辺はジークフリートが上手く対応してくれたので大事にならずに済んだ。
今日はそのジークフリートから訓練中にも聞いたが再度迷宮について話があるというので王宮の庭に廉達召喚者は召集された。
「三日間の訓練に皆よく耐えた。早速で申し訳ないが今日は迷宮攻略に向かおうと思う。」
ジークフリートより労いの言葉と迷宮攻略に向かう旨が伝えられた。
三日の訓練のおかげで皆レベルが三十ぐらい上がり、スキルもレベルアップした。実戦に出られるほどの実力になったので異を唱える者はいなかった。
「だが、くれぐれも気を抜くなよ。最悪の場合死ぬこともあるからな。迷宮とはそういう場所だ。」
ジークフリートは真剣な顔で慢心しないよう僕達に忠告した。迷宮は相当危険な所だという事を再度確認させてくれたようだ。
「はい。慢心しないように気を付けて臨みたいと思います。」
「ハハッ。君達なら大丈夫だと思っていたぞ。」
綾人が十分気を付けて迷宮攻略することを告げるとジークフリートは見透かしたような顔で笑っていた。彼には廉達のことは何でもお見通しのようだ。
「皆の思いを確認できたところで、出発するぞ。」
移動用の馬車に前日予め決めていた六つのグループに分かれて乗り込みと迷宮に向け出発した。グループには馬車一つにつきお目付け役として騎士が着いている。廉のグループは愛、大地、清志、由依、京香、廉の六人だ。お目付け役はガレンなのだが……
「廉、一緒のグループだったな。俺は嬉しいぞ。」
「僕は全然嬉しくないですよ。ガレンさん。」
「そう言うな。俺と廉の仲ではないか。」
二日目あたりからこんな感じで廉はガレンに気に入られてしまった。厄介だが彼のことを知れたので仕方がないと思うことにしている。
ガレンについて分かったことはベレンという弟がいることと、野菜嫌いだということの二つだ。最も後者は子どもっぽい理由だが本人にとってみると深刻な問題だ。
「ところでガレンさんの弟って冒険者なんですよね?」
「そうだ。王都の冒険者ギルドに所属している。廉も迷宮攻略後にギルドに行ってみるといい。いい人ばかりだから歓迎してくれる筈だ。」
攻略が終わったらガレンの弟に会いに行くために冒険者ギルドに行こうと廉は思った。
「廉くん。迷宮攻略頑張ろうね。」
「うん。無理しないように頑張るよ。」
ガレンと話し終わると愛が嬉しそうに話しかけてきた。今日も彼女は可愛かった。
「廉ちゃん。怪我したらお姉ちゃんが治してあげるから大丈夫よ。」
「ありがとう。お姉ちゃん。」
京香は修行で治癒魔法を覚えたので張り切っている。
「僕も雷魔法覚えたよ。」
「制御できないくせに。」
「ちょっ、清ちゃん! 気にしてること言うなよ。」
「だって事実でしょ。」
大地は雷魔法を覚えたと自慢したが清志と由依に痛い所を突かれ、しょげてしまった。
「由依まで。廉は僕の味方だよな。」
「まあ、頑張れ。」
皆それぞれ修行の成果を発揮しようと意気込んでいるようだ。自分も修行の成果を発揮できるように頑張ろうと廉は思った。
「そろそろ迷宮だ。装備の最終確認をしておくように。」
剣を腰に差し、移動中は動きやすいように外していた防具を装着したら準備万端だ。
「到着したぞ。」
馬車から降りて皆と合流するため、廉達はジークフリートがいる迷宮の入り口へと向かった。入り口にたどり着くと廉達が最後であった。
「全員揃ったようだな。では今から迷宮に入る。はぐれないように気を付けろ。」
廉達は綾人を先頭に迷宮へと足を踏み入れていく。
「足元に気を付けて。地面が滑りやすくなっているからね。」
綾人から足元に注意するように言われた。
こうして廉達は迷宮に入った。これから迷宮内で盛大な仲間割れが起こることになるのだが今は誰もそんなことになるとは思ってもいなかった。




