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3 ステータス

 一列に並び終わると先頭の綾人が水晶に手をかざした。


 すると、水晶の上に力が数値化されたウィンドウが浮かび上がった。


「体力、魔力、知力がすべて『160』ってどういうこと!?」


 綾人のステータスが表示されるとマーヤは動揺して腰を抜かし、叫び声を上げた。


「こほん、失礼しました。普通は力の数値はレベル一の時点では「80〜100」しかないので取り乱してしまいました。さすがは勇者様ですね。」


 このステータスを見て最初廉は普通なのだろうと思っていたが、マーヤの話によるとどうやら異常なようだ。


「では次の方、お願いします。」

「はいはーい。次はあーしの番だね。」


 今声を上げたのは綾人の次にクラスで有名なギャルの姫島愛だ。髪は金髪に染めていて、制服はボタンを二つほど外して胸元が開いているという服装でれっきとした校則違反を犯している。だが、彼女は成績優秀で学年三位で廉も中学生の時に勉強を教えてもらっていた。丁寧に教えてくれて気遣いもしてくれるので廉は彼女のことが好きになった。しかし、学校の人気者で美人だし僕と釣り合わないだろうと諦めかけていたときに愛から告白され、付き合うことになった。


 愛が水晶に手をかざすと綾人と同様にステータスが表示された。


 二回目からは、マーヤは驚かなかった。感覚が麻痺してきたようだ。


「〜〜〜〜♪ あれぇ。廉だぁ。廉、大丈夫だった? 怪我してない?」

「大丈夫だよ。愛ちゃんは大丈夫かい?」


 愛は通りすがりに廉を見つけると甘ったるい声で安否確認してくれた。廉は自分の無事を告げると愛の安否も確認する。


「うん。私も大丈夫だよ。じゃあ後でね。ばいばい。」

「ばいばい。」


 今日も彼女はとても可愛かった。


 周りからの視線が刺さったがそれもいつものことで付き合った当初は怖かったが、今は慣れて特に気にはしていない。


 その後、順番に水晶に触れてステータスを確認していき、廉の番が来たので水晶に触れる。


「廉さんは普通ですね。まあ勇者の中では最弱ですが。それにスキルレベルは0と。やれやれ。」


 ステータスが表示されたがいたって平凡な数値で、廉は何故自分が召喚されたのだろうと少し落ち込んでしまう。それに追い討ちをかけるようにスキルレベル0で召喚者の中で最弱という事実に廉はその場に座り込んでしまった。


 まあ「それがどうした」と言われたらそれまでだが、廉からしたら最悪の一言に限る。


 床に座り込んでいる廉をみて、マーヤは困ったような笑顔を浮かべたがそれも一瞬で普通の笑顔に戻すと廉に近付き、鍛えればレベルも上がる。自分は廉様に期待していると激励の言葉をかけた。


「ありがとうございます王女様。僕、頑張って強くなります。」


 王女の一言で調子を取り戻した廉は感謝を述べると同時に今後の抱負をマーヤに伝えた。


「頑張ってください。でも無理はしちゃいけませんよ。」


 応援はするが気張りすぎるなというマーヤの言葉に王女様は優しく謙虚であり、こういう人がリーダーにふさわしいという印象を持った。





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