15 武具商店
店に入ると、武器や防具が入り口から奥のカウンターに向かって、縦に並ぶ4列の棚に陳列されていた。奥のカウンターには禿頭で髭面のいかついおっさんが入店した廉達を睨みつけるように見ていた。
「いらっしゃい。何のようだ?」
「グラムさん。この人たちに装備を見繕って欲しいんだけど、いいかな?」
アリンは、店主に挨拶して廉達の装備を見てもらうように頼んだ。
「お嬢か...ッよし、分かった。」
というとグラムはカウンター横の小さい扉を開けてカウンターから出てきた。
「まずはそうだな。坊主、お前から見てやる。」
「はい。お願いします。」
廉はどんな装備を選んでもらえるか、ワクワクしていた。
「坊主、まずはステータスを見せてくれ。」
「はい。【ステータス】」
グラムはステータスを見ると怪訝そうな顔をした。だがすぐに表情を戻し、言った。
「坊主は、魔術付与系だから剣士だな。」
「剣士ですか。ところであの、魔術付与系って他にもあるんですか?」
廉が聞くとグラムは自慢げに答えた。
「ああ、他にもあるぞ。俺が知ってる奴は、武器に魔術を纏って使ってたな。」
魔術付与の知識をまた一つ得た廉であった。
「ありがとうございます。」
「おう、で装備だが、ミスリル合金がおすすめだ。カウンターからみて右端の棚にから気に入った奴を選んでくれ。」
廉はグラムに勧められた装備の中からミスリル合金製の籠手と胸当て、ブーツを選んだ。剣もミスリル合金製で、柄の部分に銀色の木のツルみたいな装飾が施されているものを選んだ。それに、ベルトと全身黒一色の服、ズボンを選んだ。
京香は騎士の素質があるそうなのでミスリル合金製の籠手と胸当て、脛当てを購入し、武器はレイピアで廉と同じ装飾のものを選んだ。そして、ベルトと胸の部分がパックリ空いている水色の服、ホットパンツを選んだ。
愛は素質はなかったが、調合スキルを持っていたので調合師になればいいとグラムにいわれていた。なので、素材がしまえるポーチと瓶をはめられるベルト、京香とお揃いの服とスカートを選んだ。
全部で合計金貨ニ枚の出費だが、今回はアリンが払ってくれるようだ。
「三人とも決まった? 終わったら、そこの試着室で着替えてね。」
アリンにいわれ、京香、愛、廉の順番で着替えた。
「いいね。ようやく冒険者っぽくなった。これで依頼が受けられるね。」
「そうだね。グラムさんありがとうございました。」
「おう。いいってことよ。またなんかあったらいつでもこいよ。」
グラムに見送られ武具商店を後にした。
「ところでアリン。クエストは何がいいの?」
ギルドに戻り、ギルドのクエストボードを眺めながらアリンに聞いてみる。
「そうだね。最初は薬草採取クエストか、ゴブリンの討伐クエストがいいかな。」
薬草採取クエストとゴブリンの討伐クエストか。ゴブリンを倒した方が経験値が手に入りそうだな。でも、怪我とかしたら大変だから薬草採取も大事だな。いっそのこと二つ同時に受けるのはだめなのか。
「二つ同時にはできないの?」
「依頼は一回につき一つと決まっているんだ。あと薬草採取依頼で採取した薬草は使えないよ。換金用だからね」
薬草は採取だけで比較的安全だが、廉達は戦った経験が少ないのでどちらかというとゴブリン討伐の方が都合がよかった。
「あっそう? じゃあゴブリンの討伐クエストかな。」
「そうね。二人はどう思う?」
アリンは頷き、愛と京香の二人に意見を求めた。
「私はいいよ。」
「私も。」
全員意見が一致したのでゴブリンの討伐クエストを受けることになった。




