13 アリン・グランロード
冒険者にはランク制度というものが存在する。
ランクとは、その人の実力やギルドへの貢献度を表すもので、ランクは上からS、A、B、C、D、Eまであり、一定数の依頼を達成すると、次のランクへ昇格することができる。しかし、Sランクだけは特殊でギルドマスターから認められないと昇格できないので人数が少ないのだ。
ギルドは四人以上のパーティーを組めば依頼を受けられるが、Cランク以上の冒険者をメンバーに加えないと依頼を受けてはいけないきまりがある。
なので、廉達は仲間に入ってくれるワンランク上の冒険者を探す必要があった。
「パーティーに入ってくれる人いないかな。愛ちゃん。」
「そうだね。いるといいんだけど。」
「いないと困ってしまうわね。」
しかし、三人はギルドにあてがないので困っていた。
「もしかしてパーティーメンバー募集中?」
どうしようかと悩んでいるとふいに後ろから声を掛けられた。
振り返るとダークエルフの銀髪美女が立っていた。
「はい。」
「そっか。じゃあさ、私で良ければパーティーに入れてくれないかな。」
「とてもありがたいです。もしかしてあなたがアリンさんですか?」
彼女はSランク冒険者のアリン・グランロードだ。ベレン率いる光の牙というパーティーに所属しているとガレンから廉は聞いていた。
「えっ? そうだけど...どうして私の名前を知ってるの?」
突然、名も知らぬ相手から自分の名前を呼ばれてアリンは困惑していた。
「師匠からギルドにはダークエルフは一人しかいないと言われたので聞いてしまいました。すみません。」
「それは別にいいんだけど、師匠ってもしかしてガレン?」
「はい。そうです。」
「なるほどね。じゃあ君はレンだね?」
「何で知っているんですか?」
「彼から聞いたんだよ。君達二人のことも知ってるよ。キョウカとアイだよね? よろしく。」
ガレンから既に聞いていて三人の名前も知っていたようだ。
「よろしくです。」
「よろしく頼むわ。」
アリンが廉達のパーティーに入ってくれることになった。
「あの、アリンさんって光の牙に所属しているんですよね。僕たちのパーティーに加わって大丈夫なんですか?」
「ああ、そこは大丈夫。さっきパーティーを抜けてきたから。あと、敬語はなしね。私堅苦しいの好きじゃないんだ。」
「分かったよ。」
「ところでさ。レン達は何処から来たの?」
「ああ、僕達は異世界から王女様に召喚されたんだ。」
「あっ、そうなんだ。国王様は勇者の召喚に成功したんだ……」
廉が日本から召喚されたことを教えると、アリンは近々勇者の召喚が行われる事を知っていたようで、召喚が無事成功したことに安堵していた。
「でも、僕は誠ってやつに裏切られて死んだことになっているから皆の所には戻れないんだ。」
「それは酷い。マコトって奴は悪い人だね。」
誠に突き落とされた事を根に持っている廉にアリンは慰めの言葉をかける。廉は彼女に慰められて悪い気はしなかった。
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
パーティーを登録するために、もう一度受付に向かい登録を済ませると廉達は今後の方針や報酬の分配について話し合うためにギルドの食堂へと向かうのだった。




