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12 迷宮からの脱出

「脱出するとは言ったものどうすればいいんだ?」

「確かにそうね。」


 出口は岩で塞がれていて出られないので廉達は他に脱出する手段を考えていた。


「落ちてきた所を登るのは、無理だしな。」

「どうしましょう。」

「俺ならどうにかできるぞ。」


 手段が何も思いつかず諦めかけていると、シャドウが名乗り出た。


「え? 」

「俺は転移魔法が使えるから任せておけと言ったんだ。」


 シャドウからの提案に一瞬戸惑った廉だったが、彼の申し出が素晴らしいものだったので任せることにした。


「お前たちはどこに行きたいんだ?」

「えーっと、とりあえず王都に戻りたいかな。」


 廉は誠に突き落とされたことから自分達は死亡扱いになっていると予想した。クラスメイトたちに生きていることを知らせたいので王都に戻ることにした。


「よし分かった。魔法陣を構築するから待ってろ。」


 シャドウは魔法を発動するために魔法陣を描き始めた。


「これで迷宮ともおさらばだ。やっと出られる。」

「ふぅー。」

「姉ちゃんどうしたの?」


 突然ため息をついて地面に座ってしまった京香の様子が心配になって廉は声をかけた。


「別になんかあったとかじゃないのよ。ただ...脱出できると思ったら気が抜けちゃったのよ。」


 京香は強気な性格と三人の中で最年長ということもあって口にはしていなかったが実は一番迷宮に閉じ込められたという絶望的な状況に怯えていたのだ。


「京香さんが一番怖がってたんだね。」

「そ、そういうわけじゃないわよ! 愛ちゃんは何を言っているのかしら。」

「何だそういうことか。言ってよ。」

「だから違うって言ってるでしょ?」

「楽しんでいるところ悪いが、構築が終わったぞ。全員魔法陣の中に入ってくれ。」

「分かった。」


 二人が京香で遊んでいるうちに転移魔法の構築が完了したので彼の周りに集まった。



「皆、入ったか?」

「入ったよ。」


 全員が魔法陣内に入ったことを確認するとシャドウは詠唱を開始した。


「彼方守りし守護者は、此方繋ぐ鍵となる。我が描く円。光り輝き我の僕となれ。転移!」

「わわっ。」

「眩しい...」


 詠唱が終わると同時に青い光に包まれた。次の瞬間には光が消え、四人は王都の門の前に立っていた。


「わっ! もう王都についちゃったよ。」

「転移魔法ってすごいね。」

「君達は何者だ?」

 

 転移魔法に関心していると門に立っていた衛兵に話しかけられた。


「え、えっと。」

「衛兵さん。こいつらは俺の友達だ。通しちゃくれねぇか?」

「シャドウ殿のご友人でしたか。これは失礼いたしました。どうぞお通りください。」


 門をくぐるのは難しいと思っていたがシャドウのおかげで簡単に通ることができた。


「シャドウって何者なの?」

「ただの大魔導士さ。じゃあ俺はこれで失礼するよ。」


 シャドウと別れた三人はクラスメイトに合う前に冒険者ギルドに向かうことにした。


 場所はガレンに聞いていたので迷子にはならずに辿り着いた。


「ここが冒険者ギルドかぁ……デカいなぁ!」


「おっ、冒険者になりたいのか?」


 ギルドの建物の大きさに感心していると、装飾が豪華な剣を腰に帯刀した男が話しかけてきた。


「はい。」


「そうか。俺はベレンだ。よろしく。冒険者になりたいならあそこの受付で手続きしてもらってくれ。じゃあ俺はこれから仕事なんで失礼する。」


 話しかけてきた男はベレンであった。廉は探していた人に会えて安心していた。


 ギルドに入ると五つある受付のうち四つは列ができていて、一番右の所が空いていたので廉達はそこに並ぶ。しばらく待っていると順番が回ってきたので受付のお姉さんに話しかける。


「えっと、冒険者になりたいんだけど......」

「冒険者登録ですね。ではステータスを確認するのでこちらの水晶に触れてください。」


 王城の水晶よりは小振りだが正確にステータスを確認できるようだ。水晶に表示されたステータスはギルドカードに記録される。


 レベルが上がるたびにステータスは自動で更新されるがその仕組みはよく分かっていない。


 廉、愛、京香の順で水晶に触れていく。


「ありがとうございます。最後にお名前を教えてください。」


 受付嬢に名前を聞かれたが氏名で名乗るとクラスメイトにバレる可能性があるので三人は下の名前を伝えた。


「はい。これで登録は完了です。」



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