第6話 文化祭まであと10日
文化祭まであと10日。
そんな状況で僕達は危機的状況に陥っていた。それは……
「文化祭でやること、案がある人いる?」
そう。文化祭の出し物が決まっていない。もう既に10日が経った。誰もが諦めている。なぜなら……このクラスはやる気が無いから。
〈文化祭あるあるその1〉
・女子は基本的にやる気はある。だが男子は遊びたい。だからこの両者で争いが始まる。
「男子。そろそろ意見出して」
「お前らが出したら俺らがやるから」
「意見出しても否定するでしょ」
「だっていい意見出してくれないだろ」
これは耳川さんが回復する以前の問題だ。折角楽しめると思ったのに。
「ちょっと男子。いい加減にして。これじゃ、耳川さんが回復した時に喜ばないわよ」
この人はクラスの中心的存在。井伊さんだ。
井伊さんは怒ると怖いけど、実はとっても優しいのだ。
腐りかけている花に一人で水をあげていたり、重い荷物を持った人の荷物を持ったりと、とても優しい方だ。
「うるせー。黙れ」
「それは無いでしょ。男子、謝って」
これじゃ、いつまで経っても終わらない。
「それじゃあ劇をしよう」
「どうした大神」
「大神くん。何で」
まあこうなるわな。
「今のクラスには団結力が無い。だから劇をしてクラスの仲を良くしようっていうことだ」
「女子は賛成」
「仕方ないんじゃない。折角まとめてくれてるんだから」
「浅香くん…」
「別に。成功させたいだけだから。気にしないで」
「じゃあ早速とりかかろう。お題は……」
「「「ロミオとジュリエット」」」