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第1話 とある天使の自由宣言
私の名はラビエル。
元々は天使達の先頭に立ち戦っていた。命を落とすような戦いでも私は戦った。仲間を守りたかったからだ。だから仲間からも慕われていた……と思っていた。
ーーだけど違った。
私は仲間に売られ、今知らない星の知らない空を眺めている。冷たい地面。暗い世界。そんな小さな星でただ一人星を眺める。
私の居た世界では空に星など見えなかった。ただただ七色の空が広がっているだけ。それはそれはとても綺麗であった。
だが星々の光はもっと綺麗だった。鈍く光る星もあれば、綺麗に光る星もある。
初めて見た。だが飽きた。もう何年もここにいる。もう何年も星を見てきた。
「詰まらない。」
だから私は一番大きなあの星に降りることにした。どんな星よりも鈍く光り、どんな星よりも明るく光る。
私は降りる。
あの星はきっと温かい。
私は求める。明るい世界を。私は求める。心から信頼できる友というものを。