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未来へのプロローグ
「私と、付き合ってください」
「!」
「駄目ですか」
「いや、とても嬉しい。だから僕はオッケーと言いたい。だけどさ、君はいずれ僕のことを醜いと思う日が来るだろう。そして僕も君が醜い姿になるのを見るだろう。だから聞きたいんだ。これからどんなことがあっても、一生愛を誓ってくれると」
「一生の、愛を……」
「分からないだろう。今は誰にも分からない。その物語を始めよう。ここが僕らのスタートラインだ」
世界には様々な告白の仕方がある。
壁ドン。手紙。さりげなく。などなど様々である。
この物語の主人公達は、互いにすれちがい、悩み、もがき、苦しみ、笑い、泣き、人生を深く考えるだろう。
そんな彼ら彼女らの物語。これはどんな物語よりも悲しく、嬉しい物語なのかもしれない。
だから彼らは笑い合う。だから彼女らは支え合う。
小さな手を何重にも重ねてもがき合う。
これが彼ら彼女らの物語。
これが彼女らの青春だ。
この物語の舞台は何もかもが発展しており何もかもがある世界。異能など誰もが持っている。だが彼らは使わない。彼らは日常を歩みたいのだから。