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あの町この町  作者: bashi
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嬬恋村①

嬬恋村は、群馬県の西端にある小さな村である。四方を山に囲まれ、自然が豊かで夏は涼しく冬は寒い山村である。主婦の方や料理人の方であるなら、キャベツの名産地であると知っている人も多いと思う。隣は草津温泉であり、長野県と接しているため、上田市や軽井沢町といった観光名所が非常に近くにある。そのため、観光地へ行く通り道として使われ、バイカーや嬬恋目的の観光客以外中々訪れないが、名所は沢山ある。


一つは先にも述べたキャベツ畑だ。もう丘の稜線全てがキャベツ畑なのだ。北海道ほどの平野が無いにも関わらず、ここまで雄大なキャベツ畑は中々見応えがある。そのため、一件の農地面積が広く、キャベツを大量生産できるため、農協を仲介させても莫大な利益が農家に入るのだ。


二つ目はスキー場である。嬬恋は多くのプロスキー選手を輩出した土地であるため、非常にスキーが盛んである。そのためシーズンになると、県内外から多くのスキー客が訪れる。


三つ目は温泉である。ですが皆様、温泉に入るのであれば近くの草津温泉に行った方が良いのである。しかし、群馬は本当に温泉地が腐るほどあり、高校生でも部活帰りに友達と温泉に行くといったことも珍しくないのだ。埼玉や東京の都会に住んでいれば、中々そんな経験をする高校生はいないだろう。話は脱線したが、とにかく嬬恋にも温泉はあるのである。特につつじの湯という温泉施設は小さいながらも、露天風呂は岩壁に古木の生えた見栄えのする温泉で温度もちょうど良いのである。最高なのだ。


嬬恋は、地元民もあまり語らない(ていうか、そもそもあまり興味が無いのかもしれないが)が、今は火葬の徹底により廃れてしまった独特な全国でも少数の葬礼文化があった。それは両墓制という埋葬方法だ。両墓制とは、墓参りする墓石(この地の呼び名はオハカ)と実際の埋葬地が(この地の呼び名はボチ)分けられている風習である。これは地域によって若干の違いはあるのだか、親戚の住む地域では、川沿いに埋葬地が設けられていて、今でもその土葬墓が残っている。土葬墓には、昔生息していた狼に死体を喰われないようにと、石で長方形に覆われており、その上に棺を運んだ輿をそのまま土葬墓の上に置いて後はそのままにしておくのである。そのため、今その墓へ行ってみると、朽ち果てた輿の木片に石塚群が無数に残っていて、お参りは墓石のあるお墓で行うため、墓守以外は手を入れないため苔に覆われており、雨風に晒されて風化したお地蔵様が6体入り口を守っている。その光景になんだか少し恐ろしいと感じる人もいるかもれない。しかし、それが普通に何軒も民家がある通りを挟んだ川沿いの場所にポツンとあるのだから、不思議なものだ。今現在その土葬地は2箇所残されておりもう一つは民家がある通りから崖になった低地にある。そこは崖の上からは林になっていて親戚の家から見えづらいが、坂を降りて近づいてみると、うっそうとした林に無数の苔の生えた石塚が点在しているのである。そこには、笠を座した僧侶の像もポツンとある。そしてそのすぐ近く、石塚がほぼ入り込んでいる所に畑があるのだから、なんとも珍しい光景である。僕の叔母は、子供の頃川遊びに行くときに、どうしてもそこを通らなくてはいけなかったため、非常に恐ろしかったという。この風習は80年代まで続いていたという。墓堀りは、青年会の男性に順番で割り当てられ、昔の土葬墓を掘り返してしまう場合もあったため、あまりやりたい仕事ではなかったという。このように、日本でもあまり見かけない風習もかつてあったのである。

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