持つべきものは
改稿済みです
さてさてレダ君。今現在。
はぁ……はぁ……はぁっ!
全力疾走真っ最中。
駆ける逃げる走る逃げる。
アナウンスをぽけーっと聞いていたら、周りに続々とモンスターが、POP! POPっ!
目の前にレベル33のモンスターが現れ即ダッシュ! 死に物狂いでフィールドを駆け出したというわけ。
しかし、流石の装備。めっちゃ速い。
レベルアップもあり、最初は本気でコケた。
おかげで? レベル33モンスターの突進を免れたが、未だ死に戻りの概念を忘れているレダは、決死の逃亡劇を続けることに。
もう、少しっ。
前方に見えるアクティブモンスターを大回りに避け、ノンアクティブモンスターの真横を踏みしめて。
もう少しで、とりあえずこのエリアを抜ける。
未解放エリアは、解放されると隣接するエリアとの境が開かれる。マップ情報も解禁されており、この<月光花の丘>はアントレーの街の南門を出た先に広がるエリア<バーバレン荒野>と続いていた。
入口のあった初心者フィールドは、東門を出た先のエリア<サーマル平原>の門周辺だ。
因みにエリアとフィールドだが、フィールドは戦闘をする場そのものを指し、エリアは場所の区分を指している。
さて、<バーバレン荒野>の情報はない。第1の街であるアントレーの周辺であるから、バカ高いレベル帯ではないと思われる、が、
「っしゃ! ここはどこですかっ!」
脱出した先は、名前の通りの荒野。
緑のない、砂と岩場ばかりの荒れた土地。
時刻は7時前だが、真夏の日はまだ光を余らせ、大地の砂の輝きと空の星の瞬きがせめぎ合っている。それは幻想的であるが、仮想の上に成り立つからか儚さを付随させながらも強烈に脳へと刻んでいる……のだが、
はぁっ、はぁ……はぁ……っ
景色など構わず駆け抜ける!
「……ごはん間に合わないよぉ」
そう、時刻は7時前。いつも通りなら、そろそろ母が夕食の準備を終える頃合いだ。
今日の献立はリリース開始のお祝い? ということで? 食べやすいご馳走なんだとか。
食べやすさについては、すぐゲーム復帰出来るようにとの配慮らしい。
……お母さん、私をゲーム廃人に育てる気かな?
「――うぉぉおおっ!?」
疾風の如くを体現していたレダ。
流れる視界が捉えたある者の姿に思わず見とれる。
「うぉお! ゴーレムだ! かっこいい! デカい!!」
えぇ、ゴーレムです。
それは岩が人形のような形を取ったものではなく。
岩製の、機械人形。
それは精巧な造りをしていた。
レベルは15。
すごい、かっこいい、すげぇ
淀みなく足を動かしつつ、盛大なよそ見。
「うわっ、だっ!――なんだ!?」
突然足に何かが絡みつく。
強い力で引っ張られ、思いっきり砂地に倒れ込んだ。首を巡らし状況を確認しようとするが、勢いよく引きずられる。
「なっ、ヘビ!?」
身をひねって進行方向へ視界をやる。見えたのは脚に巻き付く尻尾と、先で堂々待ち構える大蛇。いらっしゃ~いと開かれた大口に、チロチロと赤い舌がうごめいている。
「――んなくそっ!」
即刻剣を抜きはらう。
尻尾ではなく、噛みつかんと襲ってきた敵本体へ。引きずられる勢いを利用し突きを放つ。器用に体をくねらせた大蛇に突きは躱されるも、レダは刀身を無理やり振った。
浅くだが入ったダメージ。大蛇はパッと退き、レダも大きく距離を取る。
ミミカサーペント レベル13
レベルはレダの1つ上。
同レベル帯のアナコンダに似たモンスター。
両手では抱き込めないほど太い胴。何重にもとぐろを巻く全長は一体どれほどあるのか。
特徴は、周りの砂と見間違えるような柄。
同レベル帯に興味の湧いたレダ。
油断なく見据えて対峙する。
自分から仕掛けず向こうの出方を窺う。するとミミカサーペントはその場で跳び上がって直下の砂へ。あっという間に潜り込み、地面を波立たせてレダへ迫る。
一直線に向かってくるが、レダは動かない。また足を狙ってくるか、砂から飛び出てくるか。予測を立て、迎え撃つ気まんまん。
ミミカサーペントがレダの間合いギリギリへ。
突入する寸前で大量の砂が宙を舞う。
「やべっ!」
襲い来る砂に目をやった一瞬で相手を見失った。
ミミカサーペントがいると思われる、砂の隆起が見当たらない。
仕方ない。まずは砂をやり過ごし、視界を――
「なんっ!?」
<跳躍>を使用。真横へ緊急回避!
頭から砂に突っ込みながら前転。起き上がって更に距離を取る。
――あんの野郎っ!
いた。目の前にいた。
砂をかけたのではない。
砂に擬態し飛び掛かってきていた。
「井上さん! このレベル帯でこの姑息さはねぇよ!――マジで!!」
再び砂に潜ったミミカサーペント。
今度は見逃さまいと砂の隆起に目を凝らす。
と、
――足に尻尾が!!
「こん、っの!」
即座に斬り付け、間近に迫っていた本体に刃を送る。赤いダメージラインが入るも、追撃は間に合わず奴は砂の中。
マジで何考えてんだあの運営! 姑息すぎんだろ!!
相手は適正レベル帯ながら、全神経をフル稼働。
ありとあらゆる感覚を全方向へ解き放つ。
剣を握る手に力は込めず、下段にぶら下げ、待つ。
――来た。
左斜め後ろ。
奴が宙に出たのと、レダが踏み込んだのは同時。
くるり回るレダ。
遅れて追随する剣。
純白の刀身に、
重心移動、体の回転力、腕の軌道……
全てを乗せ、叩き斬る!!
レダが余波の砂を被るなか、ミミカサーペントは消滅した。
「あーあ、わかった。よくわかったよ」
――ホント、楽しませてくれる。
「やばっ、ごはん!」
けども、リアル事情には勝てないのであった。
――☆――
アントレーの街、南門に辿り着いてログアウト。
自室からリビングに突撃し、真っ先に「ありがとう!」と飛び跳ね礼を告げた玲奈。用意されたちょっぴり豪勢な食事をかき込みつつ、興奮に任せて終始歓喜を語り尽くしたのは言うまでもない。
父と母はとても嬉しそうに聞いてくれた。
買ったはいいが、SGOの趣旨を理解していない両名には、レベル35のエリアボスが一体どういうモノかわかるはずもないのだった。
南門の前に戻ってきた玲奈。
流石にまだ他のプレイヤーの姿はなく、閑散としている。
さて、これからどうしようか。
レベル帯で言えば玲奈がいるべきは南門からの<バーバレン荒野>なのだろう。しかし、東門一帯の<サーマル平原>は、初心者フィールドだけでなくエリア全体がチュートリアルの役割を持っているという。
いやまて、もとより玲奈にはやらねばならぬ事があるではないか。オールスキップした戦闘チュートリアルを受けなければ。
え? もう必要ないだろうって?
……私もそう思うよ。
とりあえず、大量消費したポーションを買いに、女神像のある大広場周辺を目指すことに。
中心部にある大広場。
だいぶ近づいてきたところで、
――ガヤガヤ
他のプレイヤーが目につき始める。
――ガヤガヤ、ガヤガヤ。
更に、この街一番のアイテムショップが並ぶ通りへ。
――ガヤガヤ、ガヤガヤ、ガヤガヤ。
(おい! あいつ!)
(レベル12!? マジかよ)
(装備やべー、あれ全部報酬だろ?)
(かっけー)
(不正じゃないってほんとかよ)
――そうだった! 私有名人っ!!
あうあうあう、ど、どうしよう。
えと、そう、堂々としてればいいんだよね?
そうだよね? 井上さぁあああん!!
集められる視線に、今のところ攻撃的なものは少ない。が、思いっきり見られている。し、コソコソ話されている。
気にしない。気にしない!
私は有名人! 堂々と! 堂々と!
堂々……うぅ。
堂々とは正反対。ギクシャクと緊張丸出し。
背筋はピシッと、どこかの兵隊の行進よろしく足を出す。
こんな状態でアイテムショップを覘くことは到底出来ず、引き返すことも出来ず、気付けば大広場に出てしまった。
一斉に集まる視線。
泣き出しそうになったところで――
――ピロピロリン、ピロピロリン
音声チャットの呼び出し。
井上さんっ!?
ではなく、
玲奈の救世主、好青年ダンからだった。
も、もしも――
「おいレダ! 今どこにいる!?」
へ? い、今大広場だけ――
「わかった! 今行くから待ってろ!」
――え? ちょ!
ぷつん。
え?
どうしたの、かな……。
一方的に、聞くだけ聞いて切られたチャット。
彼の声は緊迫に満ちていて、玲奈に出来たのはただ戸惑いのままに答えることだけ。
何がどうしたのか、全然わからない。
だから言われた通りに、物凄い視線のなか棒立ちしていると、
「――レダっ!!」
場を駆け抜ける鋭い呼び声。反射的に声のした方へ向けば、恐ろしい勢いに怖ろしい形相のダンがこちらに突き進んできていた。周囲の様子は完無視だ。
「レダ! お前、大丈夫か!?」
ついにレダの元へ到達したダン。戸惑い動けないレダの両肩を掴み、これでもかと揺すり上げ始める。
「怪我とかは……しないしな。平気か?! エリアボスとやったんだろ!? お前、そんな奴と6時間なんて!――」
あぁ、心配してくれてたんだ。
本当にいい人だなぁ。
でも、
「ぁ、あり、がと。大丈夫、平気、平気、だから、放し――ぐぇえええ」
シェイクしてる、頭シェイクしてるの!
「あ、すまん。……いやその、お前、会った時はそんな事出来る様には見えなかったから、ちょっとな」
ぱっと放して、ようやく落ち着きを取り戻したダン。
おせっかいだったな、と恥ずかしそうに頬を掻いている。
「えっと、わた――僕こそ、心配、させちゃってごめんなさい。その、僕も驚いてるっていうか……。あ、あの、どうして僕だってわかったの?」
思い返せば、チャットが掛かってきた時も相当焦った様子だった。その時には既に知っていたのだろうが、アナウンスなどでは名も出されていなかったはずだ。
やはり、もうネット上に情報が……。
「ん? あぁ、フレンドリストだよ。レベルと居るエリアがのってるからな」
「あ、そういえば」
玲奈にとっては一人しかいないフレンド。
リストを開いて確認してもらえるくらいには、気にしてくれていたのだ。
先程までその他大勢のプレイヤーに慄いていたことが嘘のよう。たった一人でも、フレンドがそばにいる。これほど頼もしいことがあるだろうか。
レダは、緩んだ口元をマフラーでひっそりと隠したのだった。
――☆――
時は、少し遡る。
玲奈から好青年という印象を持たれたダン。彼は玲奈と別れたあと、自分で語った通り初心者フィールドの奥へ出向き、順番待ちをしながらモンスターを相手にしていた。
闘いのコツを掴むのは中々骨が折れたが、元々シングルプレイのアクションVRゲームも遊んでいたダン。期待を裏切らないSGOを満喫していた、ある時。
待ち時間に談笑やアドバイスをし合った周りのプレイヤーたち。彼らとフレンド登録の話になって――
開いたフレンドリスト。
レダ レベル1 <???> ログイン
最初のフレンド、レダ。
初心者フィールドの手前で、人の多さに戸惑っていた少年。なんだか放っておけず、声をかけた。話してみて得た彼の印象も、気弱いというもの。だからかお節介にも、一緒に行かないかと誘ってみたのだけれど、待つと言って残った彼。
あれから、もう数時間は経っている。
なのにまだレベル1。
やっぱり難しかったのだと、周りのプレイヤーたちと別れて直ぐに音声チャットをかけてみた。
だが、繋がらない。
改めてフレンドリストを確認。
エリア名の<???>に気付く。
もう一度チャットを掛けるも、レダは気づかず応答なし。
これは何かあったのだ。
と、運営に問い合わせを出し、不具合報告も出した。
ここから――ダンの独り相撲が始まった。
運営から返ってきた、調査するとの返答を信じフィールドに戻るも身が入らない。さっきまで余裕と思っていたモンスターにも死に戻りを喫し、行って戻っての繰り返し。
運営の返答から1時間。
リストの表示は変わらない。
運営からの調査報告もない。
心配と、苛立ちが時の経過と共に積みあがっていく。
何度か他のフレンドたちに声をかけられるも反応は出来なかった。
消化されない苛立ちを、モンスターにぶつけた。プレイヤーたちのレベル上昇に伴い、モンスターの順番待ちは解消されつつあったが、この時ダンの周囲に他のプレイヤーの姿はなかったという。
いつまで経っても変わらぬ表示。
更に運営に問い合わせ。
しかし、玲奈の観戦に忙しい運営。
緊急性のない問い合わせには反応していなかった。それに、玲奈に関しては現在進行形でモニタリングしていたのだから、一応はダンの要望に応えていたのだ。
そうして、
――エリア解放のアナウンス。
けれども、ダンにとってはそれどころではない。
むしろ、
――レダのこと、調査したんだろうな!?
アナウンスの直後にダンが行ったのは、運営への問い合わせだった。更にネットへ情報提供などの掲示板も立てて、必死にレダの現状を訴えた。
……リストを見ずに。
手応えのなさに頭を抱えるなか、掲示板に投下されたある情報。
――――
<???>って、今の未解放エリアのことじゃない?
――――
あああああああああああああああっ!?
あぁぁ、俺のバカっ! エリアマップ名が表示されないなんて、公式配布マップ外のプレイヤー発見型未解放エリアに決まってるじゃないか!!! なんで気が付かなかったんだっ!!
大慌てで開いた、フレンドリスト。
レダ レベル12 アントレー ログアウト
「嘘だろぉおおおおおおおおおおおおお!?!?」
謎は全て解けた。
運営もちゃんとレダを見ていた。
それでも心配が残る。
第一印象はどうやっても覆せない。
本人はログアウトしてしまったが、丁度夕食どきである。もしかしたらまたログインするかもしれない。
結局これまでと変わらず街を彷徨い、立てた掲示板の後始末等々を経て、フレンドリストのログイン表示を確認。チャットを掛けたのだった。
「しかし、ホントにエリアボスを倒したんだな」
目の前に立つ小柄な少年は、昼間とは打って変わっている。
報酬の全身装備。
頭上のレベル表示。
前髪とマフラーの合間から窺える自信なさげな表情と、腰に下げた[鉄の片手剣]が泣かせるが。
「あの、うん。初心者フィールドが空いてくるまで、フィールドをフラフラしてたら、落っこちて。それで、隠しエリアに……」
うつむき加減。上目づかい。
声は控えめで、体は力んでいる。
正直、この少年がエリア解放を成したとは信じ難い。
「あ、あの! ダンさん、いま暇ですか?」
「特に予定はないけど、どうした?」
飛び跳ねるくらいの勢いをつけて、レダは一歩を踏み出してきた。何かを乞うような彼の様子に、なるべく声を和らげて返す。
「あの、教えてほしいことがあるんです。それで、その、ダンさんにお願い出来ないかなって」
「うん? 俺に教えられることなら、いくらでも構わないぞ。一体何を教えて欲しいんだ?」
優しく柔らかく、
「せ、戦闘チュートリアルなんだけど……」
やさしく、
「は? ごめんもう一度言ってくれ」
笑顔で、
「戦闘チュートリアルを教えてください!」
笑顔、笑顔だ。
落ち着け。落ち着いて思い出せ。
今、こいつはなんて言った?
「あの、戦闘チュートリアルを……」
「戦闘チュートリアルを教えて欲しいのか?」
「うん。あの、僕、オールスキップしたから、わからな――」
「はぁああああああああああああああああっ!?」
理解不能の絶叫を上げる以外の選択肢はあっただろうか。いや、ない。
――☆――
「はぁ。ホントとんでもないな」
並んでフィールドを歩きながら、事のあらましを述べ終えたところでダンが発した感想である。
「自分でもびっくりしてる。ただ遊んでただけなのに、こんな大事になっちゃうなんて」
「遊んでただけ、か。逃げ回っただけでもアホらしいが、ここまでくると呆れるくらいだ」
言いつつ、ダンは終始クスクス笑っている。
大広場でダンの絶叫が上がったあと、ダンはまたレダの頭をシェイクしたり、自分の頭を抱えて辺りを走り回ったかと思えば、女神像にガンガンぶつけ出すという奇行を繰り返した。それにはレダに非難の視線が向いたほどだ。
そして現在は、落ち着きを取り戻したダンと共に、東門を出た初心者フィールドを突っ切っている最中である。
「ダンもやってみればいいんだよ」
忍び笑いを続けるダンに、思うところを言ってやる。
「無理と言いたいが、正直、やってみたくはあるな」
ここまでの道中で、ダンに対しての人見知りはだいぶ溶けていた。
初心者フィールドをかなり進んだところで、寄せられる視線の種類がどことなく変わったような気がする。
(おい見ろ レベル12、レダだ)
(最強プレイヤー様のお出ましか)
(一緒にいるやつ誰だ? 情報は?)
(知らねぇな。ネットにも大した情報なし)
(レダってソロじゃなかったのか?)
レダは勿論のこと、ダンも何やら噂されているようだ。
「流石に最強プレイヤーと一緒にいれば、俺も注目の的か」
周りをそれとなく見回してダンは呟く。
「最強、プレイヤー?」
「お前以外に誰がいるんだ?」
聞こえた単語に反応すれば、ご丁寧にこちらの顔を覗き込んでまでしてダンは答えてくれた。それでも困惑して狼狽えていると、
「ネットで随分話題になってるぞ」
「あはは。やっぱりそうなるよね」
「そりゃ、レベル30台のエリア解放だからな。お前が街に着いてさっさとログアウトしたから、アナウンス後も当人不明で憶測が飛びまくってたんだ」
ダンが画面を開き、ネットを検索し出した。
――
さっき街歩いたのでまた大分騒がれてるな。
お前の画像――俺のも回ってるか。
運営もパーティとは言わなかったし、その装備着てる奴が他に見ないからか、ソロプレイヤー路線だと思われているみたいだ。
ん? あぁ、今のところ非難の声といったのはあまり無いな。下火だ。
まぁ早々にエリアについてとか、不正も調査、モニタリングした結果無いとはっきり言われればな。
それより、6時間なんて馬鹿げた戦闘時間に興味持ってる奴の方が多い。
むしろ運営に、生放送早く始めろ、って非難なら出てる。
――
あぁあ、井上さんごめんなさい! 頑張って!!
ダンとネット上の動きを話しつつ祈りを捧げるなか――
(はぁ。あいつソロじゃないのな)
(なんだよ。別にいいだろそんなこと)
(いやその、最強プレイヤーだぜ? ほらソロで颯爽としてる方がかっけーじゃん)
(俺は嫌だっ!!)
((((……どした?))))
(お前らわからねぇのか? ソロ最強の代名詞――)
((((ゴクッ))))
(それは――――ハーレムだっ!!)
(もしこの男女比でハーレムなんざ作られてみろ。そんなもん――)
((((レダ、許すまじ!!!!))))
「つーーーーっつ!?!?!?」
「おいレダ、どうした?」
「なんかわからないけど、物凄い悪寒が……」
さてさて、残念ながら。
レダ君、女の子!!
起こるとしたら逆ハーレム?
女性プレイヤーとなればちやほや必至。
そこから逃れることも目的であるこのアバター。
それが何故か嫉妬の目線。
なんだかなぁ、である。
次話
生放送!