エリアボスは唐突に
ビィーーーー! ビィーーーー! ビィーーーー!
けたたましいサイレン。
変容するフィールド。
ボスモンスター。
『エリアボス・オレリウス出現』
『エリア解放クエスト発生。エリアボスを討伐せよ』
頭に直接響くアナウンス。
ようやく、玲奈の脳は機能を取り戻した。
「バカ!バカバカバカっ! 私のバカぁあ! エリアマップ名が表示されないなんて、公式配布マップ外のプレイヤー発見型未開放フィールドに決まってるじゃない! なんで気が付かなかったのよっ!」
「ここはゲーム! あの〈ストラフェスタ・オンライン〉! なに呑気に散歩なんてっ!」
先程までの脳天気さを呪う。
何が、今すぐ誰かに感謝したい、だっ!
しかしながら、この状況で自身の発言を悔いる事こそ能天気というものだ。
だって、私――
――戦闘チュートリアル、受けてない。
――☆――
この脳筋ゲームSGOは、なるべくプレイヤー主体となるよう作られている。
それは装備等々だけでなく、マップにもプレイヤーが発見し解放しなければならない隠しエリアが設けられている。そこは誰かがエリアボスを撃破しない限り、討伐に踏み入ったプレイヤーかパーティ以外は侵入出来ない不可侵領域で、撃破し解放することでフリーエリアとなるのだ。
新規のエリア解放。これは大事だ。
1人1人のマップ埋めではないのだから。
だが……レベル35っ!
あり得ねぇ!
「こんなレベルのエリア――――
なんで初心者フィールドから行けちゃうのよぉっ!」
もうそこにケチ付けるしかないじゃん?
わかってるよ、もうわかってる。
きっと灯台下暗し的な?
えぇっ――こんな所に隠しエリアがっ!?
ってのを狙ったんでしょ!
そうね、きっとそうなったでしょうね!
あんな所滅多に覗かないよねぇええええええ!
あぁああああ! 私のバカぁあああっ!
出現したエリアボスの姿やそのレベル表示までを認識すると同時にターン&ラン。心を発狂させながらも頭は離脱の二文字だけを浮かべ、がむしゃらに走る。
が、
「――う、ぅ嘘、でしょ?」
ボス・オレリウスを中心に広がる戦闘フィールドから出ようとした玲奈の前に、赤みのある半透明の壁が立ち塞がる。触れられるそれは、玲奈の進路を阻みある事実を突きつけてきた。
『逃走不可』
この4文字を示すためにわざわざ画面を立ち上げてくるとは。しかも壁に触れている限り消えてくれない。
えーつまり? つまり、何?
闘えってこと?
……無理でしょ。
死に戻りしか手が無くとも、死ぬためにあのオレなんちゃらに向かっていくなんて……無理でしょ。
ブリキの人形よろしく首だけを背後に巡らせる。玲奈の脳内に比べれば随分と静かなフィールドに、厳かな気配を漂わせているオレリウスは派手な登場からまだ動いていない。
ボス戦闘フィールドといえどこれだけ縁にへばりつかれては動けないらしい。
ど、どうしよう。
そうだログアウト!――はダメか……。
ここはオープンワールドMMORPG。
SGOでのログイン地点はその直近にログアウトした位置。
ということは、ログアウトしても結局ログインすればここになる。
ログインした瞬間に逃げ出しても、エリア解放前は入口が1つしかない。そこから帰れるか。いや、帰れないだろう。あの滑り台は登れるほど生温くない。
やはり、どうあっても死に戻りするしかない。
すなわち攻撃を受けに行くということ。
ならさっさと行けばいい?
――だから無理なんだって。
凄く怖いの。
リアル過ぎて。
はっきり見える。
細部もはっきりと。
脳の映像処理能力を呪う。
エリアボス・オレリウス。
それはキメラのような見た目をしたモンスター。
馬の下半身をしてまさかの直立二足歩行。
その足の太さといったら大木はありそうだ。
尾っぽがあるはずのところにはトカゲや爬虫類が持つ類の尻尾。
これまた太い上に長さもある。地面に横たわっている部分だけでも3メートルは超えているだろう。
上半身は人のもの。
防具類は一切身に着けておらず、筋骨隆々な男性のものだ。
腕も丸太なんて目じゃない太さで、唯一の装飾品である手首の武骨なアンクルが戦士であると思わせる。
さて、オレリウスの武装だが、中華包丁に似た片刃の剣。オレリウスの体長に合わせ長く、ぶ厚く、重みを見せる。――それが両手に一本ずつ。
えっと……
いきなり二刀流相手にしろと?
最後に、頭部はワシの形をしている。
うーん。キメラだぁ。
そんなオレリウスさんの身長はもう分からない。
目測だが、隣に並ぶと自分の頭はオレリウスの膝を超えるか超えないか。とりあえず、玲奈の住む一軒家の住宅の屋根より高いのはわかる。
やばい。怖い。
剣なんて、何かの油でギラギラしてるし、使い込まれて付いたキズもめちゃくちゃリアルなんだもん!
クオリティ高いにもほどがあるでしょ!
もう、ここまでいらんわぁああああっ!
――――はぁ。
ため息を吐く。
もうどうしようもないのだ。
やるしか……やられるしかない。
……はぁ。
再度ため息を吐いて、ようやく腹を決めた。
意を決して、玲奈は目をつぶる。
そう、見なければ良い。
やられたとき、多少の衝撃は受けるだろうが、痛みが送られて来ることはないのだから。
強張った体で、重苦しい足を踏み出す。
一歩、二歩、三歩、四歩、五歩
踏み出す足を後ろに向けたくて堪らない。
六歩、七歩、はち――――
グギャァアアガァァァアアアアアアア!
「きゃぁああああああああああああああああっ!」
『モンスター発見! 戦闘チュートリアルを開始します!』
何度か聞いた、モンスターに遇うごとに鳴るアナウンス。
それが――
『さぁ! 武器を振ってみましょう!』
戦闘状態を感知し発した、文言。
『さぁ! 武器を振ってみましょう!』
「うるせぇええええええええええええええええっ!」
玲奈ちゃん。もしかしたら、いやもしかしなくとも、
人生初の暴言を吐きましたとさ。
――☆――
『武器を構えて、振ってみましょう!』
グギャァアアアアアっ!
きゃぁあああああ!
『大丈夫! 怖がらずに武器を振ってみましょう!』
ザザザザザっ!
ひぇぁああああっ!
『さぁ! 武器を振ってみましょう!』
イラ、イライライライラ!!
女性の、ちょっと調子のいいアナウンス。
グォオオオオオァアアアア!
うわぁああああああっ!
『大丈夫! 怖がらずに武器を振ってみましょう!』
どうやら、文言は3パターン用意されているようだ。
この、さぁやってみよう! ってノリ。
この状況で、ノリノリのアナウンス。
ウザすぎるせいで目を瞑ってじっとしていられない!
『さぁ! 武器を振ってみましょう!』
「うるさい五月蠅いうるさぁああああああいっ!」
「だぁれが、こんなの相手に武器振るって!? 無理に決まってんでしょーがっ! バカなのっ!? バカな――
――うわぁあああ! ちょっと待っ、きゃぁああ!」
『武器を構えて、振ってみましょう!』
「だああああっ、もーーぅうるさいっ!!」
襲ってきた剣を必死に掻い潜り、這い上がるようにして敵前逃亡。
戦闘フィールドの端に辿り着き――
――戦闘チュートリアルをオールスキップっ!!
という完全暴挙に踏み切った。
これはもう仕方がない。うるさくて敵わない。
戦闘チュートリアルを受けられないのは痛いが、救世主の頼れる好青年フレンド・ダンがいる。早速で悪いが、流石に頼らせてもらおう。
さて。
やはりフィールドの端過ぎると追っては来れないらしい。ワシの獲物を逃さぬ瞳はガン見してくるがそれだけである。
もう玲奈の死に戻りを邪魔する者はいない。
あとは気兼ねなく、やられればいいのだ。
すぅーー、はぁーー。
良し!
倒されるためという良くわからない心構えを整え、再びオレリウスの前に進み出でた。
目をつむる。
グォオオーー!
攻撃が――――来る。
それは上段からの斬り下ろし。
右腕が持ち上がり、
頂点に達し――
あれ? あれれ?
想像が、出来る。出来てしまう。
それもそうか。
もうオレリウスの攻撃する様を見ちゃってるもの。
見切った訳ではない。
チュートリアルのお姉さんに邪魔をされている内に、オレリウスの攻撃モーションを視界に入れてしまっただけだ。
だが、脳内に像が出来る。
想像が、予想が、予測が出来る。
その攻撃の先に待つ自分の末路。
目を閉じればより鮮明になり、恐怖が倍増するかのようだ。
結果、直前で目を開いてしまった玲奈。更にオレリウスの攻撃は、本当に想像した通りであったために――
――身を投じての全力回避。
続く横なぎの斬撃に、その場で身を伏せる。
恐ろしい勢いで刃が頭上を通過する。
過ぎ去った瞬間、起き上がり様からの全力ダッシュ。
辿り着くは、フィールドの端も端。
はぁっ。はぁっ。
切れるはずのない息が切れ、心拍がぐんぐん上昇している気がする。
おいおい、何をしているんだ。
やられてしまえばいいと、何度も言っているのに。
もう一度、と三度目を試みるも失敗。
またまたフィールドの端、半透明の壁にへばりついてしまう為か、何度行ってもオレリウスの初手が変わらず、何度やっても失敗。
むしろ、一連の回避が上手くなっている気さえする。
どうしよう……。
玲奈自身も理解出来ない不安がよぎる。
しかしながら、レベル35のボスとは言え、オレリウスは体が大きすぎた。たった一人相手では、どの攻撃も大振りになる。
それも回避するしか考えていない相手では。
玲奈はただ単純に、やって来た攻撃の範囲から逃げていた。
縦の攻撃ならとにかくその場から身を投げてでも離脱し、横の攻撃なら身を伏せる。
体格差、人数、そして生存本能。
紙一重などとは程遠いが、戦闘経験0のレベル1プレイヤーは奇跡的な回避を続けていた。
どうしよう……。
ただ、今のところは攻撃パターンが変わらなかったから起こり得たのだ。それなら、自ら立ち止まって首を差し出さずとも、逃げずにいればいい。そうすれば、
――いつかあの刃に。
結論は出た。
これならきっと初手のパターンから次に行った辺りで死ぬ。
心を入れ替え、玲奈はオレリウスへと向かう。
しかし、
玲奈の回避能力は並ではなかった。
加えて玲奈の全力回避を後押しする要素が――
――――1つ?あった。
逃げる。逃げる。
ひたすら逃げるーー!!
振り下ろしてくるのはまだ予測が付く。狙いも自分なのだから、とにかくそこから飛び出せばいい。
でもやっぱり辛いのは横に広い範囲攻撃。
横から斬撃が飛んでくる。しかもちょっと低い。
これは範囲外に出るしかない。
首を巡らせつつ、足はオレリウスの反対へ。
玲奈の瞳は襲い来る斬撃の次の手に気付いた。
目で必死に追って――足がもつれる。
「あっ……」
つんのめって倒れる背中を、斬撃がかすめる。
「ぐぁっ!?」
ほんの少しだけだったのに、衝撃で吹っ飛ばされ、
HPゲージがごっそり減ったっ!
が、
――――――フル回復っ!!
あれ? あ、えぇえええええええええええ!?
「な、なな、なんでっ!」
《初心者支援、ハーフHPオートポーション》
それはレベルが5まではHPが半分を切ると自動でアイテムリストからポーションを使用してくれる、初心者支援機能。
今の回復を見るに、レベル1ならポーションⅠだけで十分という事実。
そして、玲奈のアイテムリストには――
ポーションⅠ×99
ポーションⅡ×25
ポーションⅢ×10
あははははははh。
え、私、なんで買い足したっ!?
うそうそうそっ!
つまり、HPがほんの少しでも残ってたらフル回復しちゃうのっ!?
あぁあどうしよう!
いや待て。今の攻撃。
かすっただけでHP2割も残らなかったんだもの、大丈夫よ。あとちょっとだけ深ければいいんだ、うん。
直撃は嫌だけど、それっくらいなら大丈夫!
…………なはず。
――☆――
右腕を真上に上げるオレリウス、上段の構え。
来るのは上から下へ、斬り下ろし。
追撃は2パターン。
刃を叩きつけたのち、右手側に払いがてらの横なぎ。
逆から尻尾を繰り出し、入れ替わって左腕、次いで右。
または、下ろした刃を引き左から斜めの軌道で斬撃。
のちは左右交互に斬撃を組み合わせてくる。
オレリウスの主な戦い方は両手に持った二つの刃による二刀流の斬撃。
これに、ワシのくちばしから炎や火の玉を吹く中距離攻撃と、ジャンプした足の下で尻尾を一回転させる広範囲攻撃が加わる。
オレリウス出現から既に――
――――1時間が経過していた。
最初の寸劇を抜けば、玲奈が本格的に回避を始めてからは50分ほどになる。
え? 直撃でなければいいんだろ?
えぇその通り。
だから必死に回避してたの。
え? 攻撃をかすめには行くんじゃ?
無理無理無理。
かすめに行くなんて言ってないよ。
そんな度胸はこれっぽっちもないもの。
玲奈が狙ったのは、必死に回避した中で逃れ切れずにやられる、というシチュエーション。
行うのは全力回避。
死に物狂いで逃げて、避けて、免れて。
あらゆる攻撃をしのぎ続けた玲奈は、
オレリウスの攻撃パターン、攻撃モーションを見切り――
――余裕をもって回避出来るようになりました!
あれ?
これが本末転倒か?
はっきり言って、普通はこんなことにならない。
いや、はっきり言う必要もないか。
玲奈は他人の視線を気にするが故に、周囲を観察したりする子ではあった。だが、それが何かにおいて優れた力となったことはない。
しかし、そういう要素はあった。
今、実際の命に関わることは無くとも、玲奈は極限状態に置かれている。
人間は緊張を越えた先に、ゾーンと呼ばれる状態へと陥ることがある。
それは、スポーツ選手などがよく分からないけど行けると思った、とか。
全身の感覚が研ぎ澄まされた、とか。
周りの動きがいつもより良く見えた、とか。
周りがスローモーションのように見えた、とか。
火事場の馬鹿力、とか。
玲奈もまた、ゾーンの世界に踏み入っていた。
見える。良く、見える。
オレリウスの筋肉の膨張、重心の動き。
リアリティを追求し、仮想のモノとは思えぬ肉体は様々な情報を与えてくれる。
腕の向き、膝の曲がりだけでも行動予測が出来る域に達した玲奈。
オレリウスが如何に多くの攻撃手段をもっていようと、どれだけ組み合わせてこようと――
パターン化されたモンスターでは玲奈の想定外を生み出せない。
もはや玲奈にとってオレリウスは動きが大きいだけの木偶の坊。
両足に重心をかけたオレリウス。
これは火を噴くか、尻尾大回転か。
全身を視界に入れる。目についたのは膝。
――尻尾!
間合いは頭に入っている。そのギリギリまで後退。
目と鼻の先を尻尾が通過、瞬間オレリウスへと走る。
次の攻撃は尻尾が回ってきた側の腕から、飛び上がった勢いを乗せた叩きつけ。だから、踏まれない程度でオレリウスの股下に潜り込む。
己の足が邪魔で満足に振られなかった刃はただ地を叩くのみ。
どしんと下りた両足と刃に、動き終わった尻尾。
玲奈は悠々とオレリウスの背後へ。
今のパターンで背後への追撃は存在しないらしく、オレリウスはただのそりと振り返った。
玲奈は現在、
――余裕のある紙一重で回避している。
最初の身投げヘッドスライディングは何処へやら。
ずっと、愚直に逃げ回っていただけだった。
目的は死に戻りだ。
でも直撃は受けたくない。
でも回避に余裕が生まれてしまった。
これではかすることもなくなってしまう。
だから、よりタイミングの詰まった回避へ。
そうしたら、いつの間にか斬撃が鼻先を通過するレベルまで来ちゃったの。
そりゃ、50分も続けてたんだもん。ねぇ?
回避に徹し始めて直ぐ、緊張と集中力からゾーンに入った玲奈。回避性能が増したことでかすめる以上の軌道は躱してしまい、かすめた場合は大量のポーションが全てをチャラにする。
でも、なぜ?
刃が目の前を通る程まで行けるというのに。
なぜ、自ら当たりに行かないのか。
それだけ近づけるのなら、手を差し出すだけでいいでしょう?
どうして?
そんなの簡単。
――私、まだ死んだことないもの。
何言ってるのって?
いやだって、そうなんだもの。
本来なら、玲奈が初めて向かい合うモンスターはレベル1のものだ。
初心者フィールドにいる可愛いモンスターたち。
彼らと戯れている間に、プレイヤーは死に戻りを経験する。
初心者支援が致死ダメージを受けても死なないといった仕様ではないのは、早くに死に戻りを経験してもらうため。
ここはVRゲーム。
倒れて蘇生を受けるのは画面上のキャラではない。
現実で死んだ経験を持つ人なんていないだろう。
生き物にとって、死、は最大の恐怖以外の何物でもないのだ。
そう、つまりは――
最初っから飛んでもなく恐ろしいモンスターに襲われて死に戻りなど、
――トラウマになるに決まってるじゃないっ!
さて。
今まさに、その他大勢のプレイヤーたちは超かわいいモンスターに殺さ――ゴホン、やられている。
それを踏まえ、玲奈ちゃんは――
グァギャァアアアアアアっ!
とんでもリアリティを持った、とんでもレベルのエリアボス様と向かい合っているのだ!!
あれの攻撃を自ら受けるなどっ!
とんでもないったらとんでもないっ!!
のです。
手懐けられてないワニに手を出せる人じゃないんです、ぐすん。
だから流れ弾というか、気が付いたら女神像の前、的なのを狙っていたのに――
肝心な攻撃が、もう5分以上前からかすりもしなくなってしまったっ!?
うわぁああん、どうしよぉおおお。
最初より死に戻りが難しくなってる気がするよぉ。
オレリウスの猛攻を易々しのぎながら思考する。
改めて恨んだ先は、
ポーションを買い込んだ自分でも、
初心者支援の内容を決めた運営でもない。
「もうっ! チュートリアルのお姉さんがうるさくしたからっ! なんなのもう!」
いや、まぁ。うん、そうね。
うん、そこなのね。
だが嘆いたところで事態は一向に進みはしない。
余計なことを考えている今はもう、ゾーンが切れている。それでもオレリウスの動きは完全に見切ってしまったのだから、当たらない、当たらない。
考える。
斬撃をかわし、考える。
横っ飛びで炎から逃れ、考える。
しゃがんだ上を刃が通過するなかも、考える。
もっと難しい回避はないか?
うーん、これ以上はなくないか?
うーん、……ん?
引っかかったのは、先ほどの自分の言葉。
『さぁ! 武器を振ってみましょう!』
悪態をついたはずの、チュートリアルのお姉さんの言葉だった。
改稿済みです。