ダンジョンアタック 中編
長くなりまして、中編です。
さて、お腹いっぱいずんずん進む!
VRだからあまり関係ないんだけどもっ!
湧いて出てくるオークども。
けども松明があるので大丈夫。
牽制に松明を突き出せば、飛びかかれずにもたついてくれるのだ。
「おらおらおらぁっ!」
元気よく暴れるキリュウの斬撃が、最後の一体を仕留めた。
2人並んで片方が松明を。
もう片方が思いっきり暴れてオークを。
陣形は特に定めず、入れ替わり立ち代わりで戦っていた。
どんどん先へ。
すると、少し広い所へ出た。
部屋、ではない。
先へ進む通路がある。
先へ進む通路が、3本ある。
「うーん。これは悩みーー」
「…待て。シリウス。」
レダの制止に、歩みかけた足を止めるシリウス。
3本の内の1本。向かって左。
「うむ?レベル10とな?」
「あぁ、それも武器持ちだ。」
やって来るのは、もうオークしかいない。
けども、
レベル9と10の混成。
素手と棍棒持ち。
状況が、変わった。つまりーー
「中盤には来てんじゃねぇの?」
全くもって、その通り。
その事実をまだ知らない一行だが、あたりはつく。
脳にまた熱々の薪がくべられる。
「他の通路にも気を配れ!武器持ちは後だ!まずは素手のを叩け!」
おう!
素手のオークがレベル9。
棍棒のオークがレベル10と、はっきり分かれている。
素手3体に棍棒2体の、計5体。
フィールドのオークも棍棒を持っているが、同じと考えるのは危険だ。
素手のオークに斬り込み、さっさと始末する。
ひとまず、睨み合い。
「おいおい、レベル10のオーク?ーーーオークキングじゃねぇのに?」
「そうだな。これだとボスは更に上か?」
「…オークエンペラーとかいそう。」
「ぶはぁっーーーーオーク、おーくえんぺらーって、くははっ、あは、おもしぃ、あははっ」
シリウスが何故か吹き出した。
え!?そんな笑う!?
だってだって、フィールドのオークキングさんより強いんだから、もっと強いのかなって!!
し、シリウスがツボにっ!?
「いやっ!!そこは超絶オークキング、だっ!!」
「へぁ!?あ、ぁあははははははははははっ!」
シリウスのツボを奈落へ落としやがった…。
これはしばらくは帰って来れないだろう。
仕方がないので4人で向かう。
レベルの違い、武器の違いはあれど、外見的変化はまるで無い。
松明をチラつかせながら迫る。
2対1。
グォオオ!
一声叫んでオークは飛び込んで来てーー
「っ、ちょっ!」「なぬっ!?」
松明を持っているのはキリュウとライトマンのまま。
火が怖いはずなのに、その2人に。
否、2人の松明に。
ーーーーーーーー棍棒を、振ってきた。
「ちょっ!ちょ、やめろっ!!」
キリュウの松明を狙ってくる棍棒オーク。
何もせず見ている訳にはいかない。
割り込んで、棍棒を刀身で受け止め動きを抑える。
「ライトっ!松明は俺が持つ、離れろ!」
ライトマンはナックルなのだ。
キリュウのように、もう一方に剣があるはずもない。
狙われていた松明をオークに投げつけバーンを付与し、ダンと入れ替わる。
「…レベルが上がって、知恵がついた、って、こと、か?」
松明が怖いのは変わってはいないのだ。
ダンがタイミング良く松明を向ければ飛び退くオーク。
つまり。
このオークは松明を潰しにかかってくるのだ。
キリュウとダンを多少下がらせ、喉を痙攣させたままのシリウスをライトマンにつける。
「…ぷぷっ、く、くくくっ。」
「面倒だ。さっさと片付けるぞ。」
ちなみに、面倒といったのはシリウスに対してであった。
レダ達に阻まれ、松明に向かって行けないオーク。
こうなればフィールドのオークとほぼ同じだ。
レベルが上がっただけの事。
HPやステータスが多少上がっただけの事。
狭い空間で振り回される棍棒は厄介だが、刀身で棍棒を受け止めてそれを払う。
開いたオークの胴に斬撃を撃ち込む。
そこから返す刃をオークの首に。
クリティカルヒットでノックバック状態。
その間に速度重視の連撃を叩き込み、叩き込み。
やっと動き始めたオークにとどめの、必殺振り回し。
横でレベル的に完全に格上であるオークに苦戦する、ライトマンとシリウス。
彼らの援護へ向かうのだった。
「はぁー。一筋縄とか作る訳ないけどもよぅ。」
「松明は攻略の鍵でプレイヤーの弱点、か。」
「…とことんリアリティ重視だよな。」
「うむ。今は場が広かったのだ。これまでの通路で挟撃にでも会えばどうなるか。」
シリウスを置いて4人で作戦会議。
牽制に出れば、棍棒オークに松明を狙われる。
後ろに下がれば、勢いを止められない。
出た結論は簡単だった。
ーーー松明を持つ役目を、レダとダンに固定。
上手いやつに任せる!!でした。
ーーー
棍棒オークを常に自身の右側に置く。
襲ってくる棍棒と襲われる松明。
その間に右手で持つ剣の刀身と己が身体をねじ込む。
片手で棍棒をあしらい、片手で松明を振り素手オークを払う。
松明で振り払われたオークは、待ち構えた他のメンバーが。
やはり、棍棒オークはターゲットが松明のみなのだ。
ん?松明無かったら何狙うんだろ。
そんな疑問は後回し。
棍棒オークを相手しつつ、全ての神経を、全ての感覚をフル動員して状況把握に努める。
「…っ!横から追加で来るぞっ!!」
「はっはっはー!いつでも来るがいいっ!!」
「だからっ!来るっつってんだろっ!!」
彼らは現在、T路の様な所で戦闘を行っていた。
棍棒オークとの最初の戦闘。
それから、遭遇するオークの数が増え、更に途中からオークが現れるといった事も。
故に、進行速度もかなり遅くなってしまっていた。
「っ、これでっ!おしまい、ですっ!!」
シリウスが豪快にハンマーをフルスイング。
最後の素手オークの頭をノックアウトした。
全員で一呼吸。
アイテム欄を見れば、皆、ポーションが心許ない状態だ。
途中、宝箱では当然ないただの箱から、申し訳ない程度のポーションを得られるのだが、はっきり言って限界が近い。
全容など全く分からない、完全未知のダンジョン。
最初から完全攻略出来るとは思っていない。
まぁ、出来ればしたいのだけど。
結論も、行ける所まで行こう、というものになった。
「さてと、またまたどっちかな?」
前進か、横道か。
横道は途中からオークが出てきた。
もう居ないのは分かるが、不穏な気が。
なので、なんとなく前進を選ぶ。
ポッカリと開いた所へ出た。
残念ながら突き当たり。
中央にポーション補給の箱が。これは有難い。
オークも出てこないので、何も考えずに箱へとーー
ミシッ
???
ミシミシッ
「なんーーーーーーーーーーーーーーっだぁっ!?」
ドゴッ
ドダァァアアアアアーーーーーン
ーーーーーーーー床が、抜けました。
「はぁぁあああああああああーーーーーーーあ!?」
「でっ!」「っ!」「くっ!」「うわっ!」
「ぶべらぁっ!?」
どしーん、と間抜けに全員で落ちた。
落ちたのは落ちた。
けどそんな阿呆な距離じゃない。
何が言いたいかって?
この距離で頭から底に突っ込んだライトマンに賞賛を贈りたいだけだ。
「…………落とし穴。」
「ゲームのダンジョンでこんなテンプレ落とし穴とか聞いた事ねぇよっ!」
うん。無いよね。
でもここは、VRのダンジョン。
既存のネットゲームではない。
完全体感型、それがVR。
「まぁ、下に剣山が無くて良かったです。」
剣、山?
「………………。」
あ、あれ?剣先が上むいていっぱいの、あれ?
シリウスは、いやぁ、良かったです〜と安心を得て、
他の面々は、やべぇ、生きてるよな?と恐怖を得た。
「しかしまぁ、登るのは厳しい、か?」
身体が逆さまになる事はなくとも、中々深い。
上は見えない。ただ、暗いから…。
全員が松明を灯せば、それだけで大分周りが見えーー
ーー通路。
ぽっかりと、
ここから行け、と最早言っている。
「…罠だろ。」
「同感だな。」
「行きたくねぇー。」
「はっはっはぁ…何がおるのやら。」
「まさか、オークエンペラーが……ぷっ」
……。
いつまでひっぱってんだよ。
しかし、どれだけおどろおどろしくとも、行かねばなるまい。
一緒に落ちてきた補給ポーションの箱には、これまでの箱の、倍のポーションが入っていた。
なるほどね。
と苦笑するしかない。
「はぁ、よし。行くぞ。ーーーーレダ?」
司令塔のダン。
号令を掛けると共に各メンバーを振り返る。
すると、レダだけが妙な所を見ているのだ。
レダの視線を辿った先。
通路の入り口の逆の方。
灯りがギリギリ届く、上の方。
あんな所に横穴が?
「あれは…?」
ダンも在らぬ方向を見る為、残る3人も気が付いた。
「いや、あれはどう考えても無理だろ。」
キリュウの言う通り、5人が灯りを炊いていても、横穴の縦幅の中程まで、全ては見えない。
ただ、横幅を見る限り人間が入れる立派な横穴だ。
模様とかちょっとした窪みじゃあない。
けれども、キリュウの言葉に帰結する。
「はっはっはーっ!よじ登れば良かろうっ!!」
うおおーーー!
と叫びながら突撃するライトマン。
あ、いや、突撃寸前で持っていた松明を、消えないようにそっ、と置いた。
気を取り直し、土肌にへばりつくライトマン。
えいしょ、えいしょ、と登るのだが。
ポロリーーーーーーうがぁ!
何せ土肌。脆いです。
「運営…設定おかしいだろ…。」
この呟きは一体、誰と誰と誰のものか?
「もういい、あれは諦めろ。先に行かないといつまで経っても進まん。」
むすっとしながらこちらを向いて戻って来るライトマン。
あちらを向きながら、背中からこちらへ迫るレダ。
「…おーい。はぁ。」
ええとも、レダはあの横穴に対して、大きく距離を取り、クラウチングスタートの構え。
もう何も言うまい。
体重を前に。
全力を脚に。
スタート
ダッ、ダッ、ダッ
「なぁっ!?」
ダッっ!!!
踏み切る。跳躍。
迫る土壁に足を掛け、
ダンっ!!
走り跳ぶ。
ダンっ!!
2歩。
ダンっ!!
3歩。
ダッ!ーーーーーーードサッ!
4歩目で斜め横に、あの横穴へ、飛び込んだ。
「…………うそぉ〜ん。」
唖然、という言葉を体現しているキリュウ。
ライトマンもシリウスも同様だ。
この驚愕を共にしようと、ダンを見たキリュウ。
「…………えっ、と?マジか。」
ダンは、全く驚いてない訳では無い、と思いたい。
いつの間に準備したのか、一連の流れを動画に撮っていた。
つまり、あれか?一発成功するって思ってたのか?
てか、もう撮った動画再生して分析してんだけど?
何この超人。何この信頼?関係?
お前ら、今日が何日か知ってっか?
リリース2日目だよこのやろう。
もう、なんなのこいつら…。
キリュウ、心中お察しします。
「おーい。」
松明を灯し、ひょっこり顔を出したレダ。
「おー。どうだぁ?先続いてんのか?」
「いや。」
「はぁ?」
「宝箱があるだけだ。」
「…あるだけって。それで充分だろうが。」
ツッコミ疲れてきたキリュウである。
「お前らも来いよ。」
「行けるかぁあっ!!!」
ツッコミ力が復活したキリュウである。
ようやく、動画を分析していたダンがレダのいる方へ寄っていく。
「おい、レダ!」
「なんだ?」
「今の動き、どういう事だ?どう見ても、〈走破アシスト〉でも〈跳躍アシスト〉でもないぞ?壁飛びも〈空中跳躍アシスト〉じゃないだろう?」
「はぁっ!?」
キリュウだけでは勿論なく、ライトマンもシリウスも目を剥いている。
「あぁ、空中跳躍は使ってない。けど、走破と跳躍だけだぜ?」
先程のレダの動きを思い出す面々。
ダンの言う通り、壁へ向かっていく時も、壁を登って行く時も、既存のアシストで出来る動きではなかった。
「なっ!ち、違いますよ!最初も、走破にしては一歩一歩が大き過ぎますっ!!壁だって、あの動きじゃ跳躍アシストの補助を超えていますっ!なのにあれだけのエフェクトの強さっ!い、一体!?」
「いや、だからーーー
ーーーーー走破と跳躍を一緒に使ったんだよ。」
思い起こそう。
レダは助走のためにかなり距離を取った。
〈走破アシスト〉は、簡単に言えば早く走るもの。
歩幅に関してはそこまでおかしな事にはならない。
だが、ロケットスタートの勢いを全く殺さず、3歩で近寄り次の1歩で踏み切った。
〈跳躍アシスト〉は、簡単に言えば高く跳ぶもの。
横に飛べば距離は稼げるが、連続で行っても連続ジャンプにしかならない。
だから、その動きはまるで飛びながら走ってーーあ。
つまり。
〈跳躍アシスト〉の跳躍力を〈走破アシスト〉に組み込んだのだ。
アシストの姿勢補助はかなり自由度が効く。
似たようなアシストを同時に使った場合、姿勢補助は、どちらを取るかで変わるらしい。
これで、跳躍しながら走る、という事になったのだ。
壁を走ったのも同じ事で、壁を蹴る時に跳躍、走る為の次の1歩でまた跳躍と、仮想重力を振り払ったのだ。
シリウスの言った、エフェクトの強さ。
あれは〈跳躍アシスト〉ではなく、〈走破アシスト〉のものであった。
「……なるほどな。」
うんうんと、納得するダン。
もう、なんなの?なんなの?もう。
理解は出来ても納得は出来ないキリュウ。
キリュウは、ライトマンとシリウスと、気持ちを共有する事にした。
宝箱をどうするか?
と聞いてくるレダだが、司令塔のダンはメニュー画面を操作しているだけでーー
「レダ。トレードだ。」
「トレード?ーーわかった。」
トレードとは、言わずもがなプレイヤー同士のアイテム等の交換だ。
「金は?」
「100G」
「はいよ。」
「よし。」
Gとはゴールドの略である。
一体何をしているのか?
何をトレードしているのか気になったキリュウ達が集まってくる。
「やれそうか?」
「たぶん、行ける。」
そうして、レダは、ロープを垂らして来た。
これで登ろうという事らしい。
「ろ、ロープ、ですか?そんな物どうして…。」
「どうしてって、街の便利屋で買ったんだよ。」
「「「えっ!?」」」
ダン以外の面々は、あのアイテムショップで、目的の松明のみを仕入れていた。
ダン以外は。
「そもそも光源が無く、松明を要するんだからな。他にも持っておいた方がいいと思ってな。役に立ったろう?」
まっったく持ってその通りなのだが、開いた口が塞がらなかった。
用意周到。
いや、このゲームに置いてはそれがステータスか。
垂れたロープに、とりあえず言い出しっぺであり功労者のダンが掴まる。
ゆっくり上がっていくダン。
上では、レダがロープを引いていた。
筋力どうなってんだ!?
と一瞬思うキリュウ達だったが、
理由はレダのステータス。
レベルよりも、装備によるステータスが群を抜いているのだ。
さてさて、全員が登った。
(最後のライトマンを上げる途中で数分放置して皆でからかったのは割愛する)
「来たぜ、宝箱!」
レダがいなければ諦める他なかった。
そこに設置された宝箱。
はっきり言って、普通なら完全攻略が成された後に、多くのプレイヤーが挑戦すれチャレンジミッションの様なものだ。
一体、何が。
ジャンケンは、しない。
開けるのは当然、レダである。
「行くぜ?」
もう、喉を鳴らす以外に何をすればいいのか?
きぃーー、と音を立てて開く。
そして、ポピンっ!
視界に現れるーーーーーーー画面。
運営がどこに心血を注いでいるかは、死ぬほど知っているけども。
ここ、雑じゃね?
宝箱、だぜ?
まぁそんな事はどうでも良い!
画面上の文字列を辿る。
報酬は各々の選択方式のようだ。
な、か、み、はーーー?
武具だ。
[篤厚]シリーズ。
全ての武器種が用意されており、一人一つ選ぶもの。
ステータスは
STR +6
VIT +4
SPEED +5
技量値 +2
状態異常付与 バーン 付与率 35%
このゲームのダメージ数値の決定方法を述べておく。
基本は
攻撃判定+流麗度判定。
攻撃判定はプレイヤーのレベル、装備等のステータスに依存する。
流麗度は攻撃の完成度だ。
なぜこの仕組みなのかは簡単。
ここはVR。
既存のネットゲームでは、動きは設定されたものでしか無く、立ち位置やタイミングが重要だ。
対し、VRでは、通常攻撃ですらプレイヤー依存。
だからこそスキルを作っても、
最初はそれでごり押せるだろう。
が、敵が強くなればなるほど、決められた動きしか出来ないのならば、それは恐ろしいタイミングゲーとなり、その間は通常攻撃しか出来なくなる。
運営は魔法を切った。
当然、戦闘は武器を用いた近距離戦。
さらに求めた、手に汗握るプレイ内容。
よって、
硬直時間も動きの固定化もいらねぇんじゃぁあっ!
とアシストに行き着いた訳で。
では、技量値とは?
残念ながら、〈技アシスト〉の流麗度とはーー
ーーー関係がない。
わっつ!?
流麗度を上げたいなら腕磨け。だとよ。
まぁ、流麗度は速度、向き、剣線、etc。
大量の情報を処理した上でもう決定している。
関係があるのは、クリティカルヒットなどの、特殊ダメージボーナスだ!
クリティカルヒットならば、そもダメージはうんと高いのだが、実は乱数による振れ幅がある。
技量値は、その振れ幅の底上げだ。縮小ではない。
下限値と上限値が同じだけ上がる。
特に、振れ幅の最小ダメージが上昇するのは大きいのだ!!
おっと、熱が入ってしまった。
この技量値が入った[篤厚]シリーズ。
勿論、選ぶ武器種はそれぞれの武装のもの。
レダ、ダン、キリュウは片手剣。
シリウスはハンマー。
ライトマンはナックルだ。
「…と?とく、あつ、シリーズ?なんだこの名前。」
首を左右に捻りまくっているキリュウ。
もう1人、ライトマンもだ。
他3人はーーー
「…………………。」
渋い?苦々しい?そういった表情の苦笑い。
「どうしたのだ、3人共?辛い事があるなら、私が聞こうっ!!私は超絶ライトマンだからなっ!!」
ライトマンの阿呆発言も、効果なく。
「…うがぁぁああああああああああ!くそ運営っ!」
爆発したのはレダだった。
「なっ、なんなんだよ?どしたよ?」
「キリュウ、これは篤厚と読むんだがな?意味は、誠実、辺りだよ。」
「人情味ある、といった事も言いますよね?」
「人情あつく、誠実なこと。…昨日宿題でやった。」
は?宿題っ!?しかも昨日!?リリース日だろっ!?
キリュウのツッコミを無視して続ける。
「…ここでこの単語とか、絶対ーーー
ーーまんまと罠に嵌るとても誠実な人って事だろ?」
「「…………………………あ?」」
キリュウの額に血管が浮いている様に見える。
「はぁあっ!?ふざけんなよ!こんなもん誰が分かるってんだ!あ!?ばかに、、馬鹿にしてんじゃーー」
わぁわぁキレ倒すキリュウの横で、ライトマンは静かにしょぼくれていた。
ホントは倍率補正にしたかったのですが、上手いこといかなかった…
さて、今度こそ後編のはず。