表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/18

フクシュウとチョコレート1-6

この作品はフィクションです。

「………。」

「………………その………、お金を、取り戻したいんです。」

「ふぅん。詐欺か何か?」

「はい………。結婚詐欺、です。」

「あらら。」

「私、もう40近くで、両親も高齢だし、早く結婚して、親を安心させて、あげなきゃ、って…」

「あ~、絶好のカモね。詐欺師にとっては。」

「ちゃんとしたお見合いパーティーで知り合った人だから、大丈夫だろう、って、思ってたんです。結婚を前提に、お付き合いしましょう、って、言ってくれて、私、すっかりその気になって………」

「ふんふん。」

「半年くらい、お付き合いして、いよいよ、って時に、彼が、実は…、って。借金があって、これを返せないと結婚出来ない、って。どうしてもキミと結婚したいのに、借金のせいで、って………」

「………疑わなかったの?それ。」

「………結婚することばっかり考えてたので…」

「なるほどね。」


なかなか残念な女性だ。のめり込みやすいタイプで、しかものめり込むと周りが見えなくなるらしい。


「で、借金を肩代わりしてあげた、と。」

「…はい。」

「いくら?」

「………800万。」

「………よく肩代わりする気になったわね、その金額で。」

「…助けてあげなきゃ、って、思っちゃったから…」

「親御さんは止めなかったの?」

「………親には、言っていません。ただ、結婚資金が足りないから、少しだけ援助してほしい、って………」

「それで、親御さんにお金を工面してもらった、ってわけ?」

「………私の貯金と、両親に工面してもらったのと、あと、友人たちからも………」

「………。」


恋は盲目とは言うけど、本当にここまで盲目的になっちゃう人もいるのね…。


「そして、お金を渡したら行方をくらまされた、と。」

「……………。」


その時のことを思い出したのだろうか。下を向いて、小刻みに肩が震えている。


「ま、事情はわかったわ。じゃあ、次は相手の男について教えて。」


肩を震わせながら、彼女は小さく頷いた。


冷静な判断力はいついかなる時も失ってはいけないです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ