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フクシュウとチョコレート1-4
この作品はフィクションです。
「えーと。うちは骨董品屋じゃないですよ?」
「…は、はい。それは、わかってます。」
「あぁ、壺をカバン代わりにしてるタイプの人ですか。なるほどなるほど。それで蓋付きの壺なんですね。」
「え?え、いえ、あの、」
「じゃあ、この中に依頼の衣類が入っているのですね。どーでもいいですけど、依頼と衣類って似てますよね-。あははー。」
「………え、と…」
「では拝見。」
小粋なジョークも挟みつつ、壺の蓋を開けてみる。
「………。」
「ん~?これは………」
中に入っていたのは衣類ではなかった。
そこに入っていたのは、
壺一杯の、焦げ茶色の流動体。
そして、蓋を開けた瞬間に漂ってきた、この香り。
これは、まさしく、
「チョコレート?」
「………はい。」
三度、私の推察力は正解を導き出せたようだ。
人の顔ほどの大きさの壷に、どろりとした大量のチョコレート。
「衣類ではない、ですねー。」
「………はい。」
「チョコレート、ですねー。」
「………はい。」
「なるほどなるほどー………」
かちゃり………ばたん。
今回ものんびり少しずつ掲載させていただきました(^-^)