親父と新戦艦が出撃します ー9ー
そして、エンペラーは天川織姫の戦艦の前、俺が立ちはだかる形になる。スナイパーライフルは当てられずに終わったけど、前回のバトルロイヤル戦でスピードを一度見ている。親父さんが出来たのだから、攻撃を避ける事が出来るかもしれない。
エンペラーに攻撃を当てるとすれば零距離での一斉射撃。自身も爆発に巻き込まれる可能性もあるけど、ある程度のダメージは与えられるはず。エンペラーの接近に対して、天川織姫も撤退する様子もない。ここで何とかしないと駄目なんだ。
しかし、前回のスピードは最大ではなく、俺の予想を上回った。親父さんは爆風で加速された攻撃を偶然でも避けられたのが凄いと感心してしまう。
攻撃が上から来るのは確認出来た。避けるのが無理なら受け止めるしかない。大破さえ免れたら攻撃する少しの時間はある。盾を装備出来ないトレイターで代わりになるのは武器であるスナイパーライフル。それを上に掲げて防御率の態勢を整える。
「うぉ……っと……何で?」
モブ達を攻撃し、親父さんの乗る旧モブにも仕掛けた。当然俺にも攻撃をしてくるとばかり思ったのに、踏み台にして天川織姫の戦艦の上空に飛んだ。前回は途中で消えてしまった形で攻撃されなかったけど、何故攻撃されなかったのか。
上空に飛んだエンペラーは、その降下の勢いを利用してビームソードを伸ばした。戦艦を真っ二つにするつもりなのだ。そうなれば五右衛門の戦艦よりも先に撃墜されたと判断されてしまう。