親父と新戦艦が出撃します ー8ー
「はわわわわ……」
その縦斬りを親父さんは紙一重で避けた。エンペラーは続けて横一文字に攻撃を移すが、それも恐怖で倒れたおかげで回避したのだ。
エンペラーの連続攻撃を親父さんは避けた。偶然が何度も起きたのか。性能はエンペラーの方が圧倒的上。同時に動けばエンペラーの攻撃は当たるはず。まるで先を読めてたような行動。倒れて避けたのは理解出来るならけど、初撃を避けたのは後ろによろけたわけじゃなく、体を横にしたのだ。
「くそっ! 何で五右衛門は撤退しないんだ。このままだと戦艦が完全に大破して、スキャンダルがバレてしまうのに」
エンペラーは親父さんに興味を無くしたのか追撃せず、俺と天川織姫がいる方に向かってくる。五右衛門側を攻撃してる時もそうだ。完全に沈黙させない。この時間を長く続けようとしてるのか。
常に光を放つエンペラーは夜戦において狙いやすい的だ。しかし、それは黄金の機体だからと光を放ってるわけじゃない。ジャミング機能が搭載され、それを使用してるのだ。索敵が使用出来なかったのもこのため。それが分かったのも五右衛門のファンがエンペラーを後方から攻撃したからだ。
モブは初期装備ではなく、ミサイルを装備していた。それをエンペラーに向けて発射した。エンペラーの速度に当てられないのは問題ない。けど、全く違う場所にミサイルが落ちたりする。ファンが下手という可能性もあるが、ある距離からミサイルの軌道が変化したのだ。
そうなると遠距離武器が圧倒的に不利となる。エンペラーの速度だけでなく、ジャミングを使用されると狙うのが難しい。方法があるとすればビーム兵器。俺や五右衛門のファンも系統の武器を所持してないみたいだ。
「あんなのどうやって倒せばいいんだよ」
スナイパーライフルを連射する。ミサイルと違って軌道が変化する事がない。直線的であるが、そのスピードにエンペラーは反応し、ビームソードで弾を消失させる。