俺は覆面アイドルのファン一号 ー4ー
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コンビニ ロンリーマートにて
深夜のコンビニはお客が少ない。けど、独特な客がいたりもするに強盗とかもこの時間を狙うだろうから危険でもある。まぁ、そんなのは稀にしか起きないし、コンビニ前の駐車場にチーマー達が何も買わずにたむろってるぐらいだ。勿論、それを注意はしない。害が及ぶのが目に見えてるからだ。
「何! 星野君もアイドル戦記を始めたのか。早くそれを言ってくれよ。一体誰を推してるんだ? 今更S級アイドルとかは全然面白くないぞ」
今日の深夜バイトのパートナーは二十五歳の只野拓男、現在フリーター。物静かで黙々と仕事をしているタイプ。けど、アイドル戦記をやってるかを聞いてみると豹変したかのよう眼鏡が一瞬光ったように見え、饒舌にしゃべりだした。
「S級とかどのアイドルがいるかも知らないんで」
「何だと……頂点を目指すためには倒さないといけない相手。情報収集は必須。ファンというわけではなく、敵としてだ。何も知らないようであれば、これを見よ! 週刊戦乙女。アイドル戦記専用の雑誌だ」
表紙には竹中かぐや。有名アイドルで現在S級のトップ。その周囲を様々な機体が花を添えている。只野さんの薦めで中身をペラペラと確認。勿論商品を勝手に読むんじゃなくて、只野さんが購入した物だ。
半分はS、A級アイドル達のグラビア写真。ファンとしてはこういうのをして欲しいか悩みどころだ。俺は露出をしてほしくない派だ。次にCD発売日。それは何級でも載せて貰えている。そして、アイドル戦記の戦争について。S級同士の戦いの解説。SからB級までは顔写真付きの対戦カード。CとD級は対戦結果のみ。例外があるとすればCD発売の場合。
「来週の戦乙女でやっとマイシスターの写真が載るんだよ」
只野さんは推してるアイドルを自分の妹だと設定してるんだろう。そういうキャラ設定しているアイドルがいてもおかしくない。
「そうなんですか? これに載るって事は有名アイドルですよね」
S級アイドルの戦争は面白くないと言いながら、本人は竹中かぐやのファンだったら驚きだぞ。
「人に聞くのなら、まずは自分からか。ふふん……いいだろう。これから急上昇するだろうアイドル」
只野さんは俺の目の前にファン会員証を見せてきた。肌身離さず持っているんだろうか。しかも、会員No.1とガチなファンに違いない。そのアイドル名は西園寺アスカ。さっき観戦したアイドル戦記の勝者。つまり、CD発売が決定したから戦乙女に写真が載るわけだ。