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C級戦はそんなに甘くはありません ー10ー

「あっ……そろそろバイトの時間だ」



今回はコンビニバイトは深夜。作戦会議も次の日で良かったのに、カストルさんが家を訪ねてきてしまったから。



「そう? いってらしゃい」



俺がバイトに行くっていうのに、家を出るどころか一機当千をやろうと準備をし始めた。帰ってくるまで居座るつもりだ。恋人でもないし、未だに素顔を見せてくれないのに。暑くないんだろうかとツッコミを入れたいほどだ。



「いやいやいやいや! おかしいですよね。一応、俺も男なんで家に残ってもらうのは。家が無理なら、駅まで送るんで」



「何? 家を漁るとかするつもりはないんだけど。仕方ないわね。一人で帰れるから、送らなくてもいいわ」



結構な時間なので女性であるカストルさんを送ろうと思うのは当然だけど、今のカストルさんの格好では変質者みたいに思うかも。一人で帰るのも変装を解くためかも。それなら隠れながらも追いかけたい気持ちにもなる。いや、部屋にいて貰って監視カメラで素顔を。



「駄目だ。そんな金持ってるわけないし」



「金? 電車代とかタクシー代とかいらないから。そこまでタカるつもりはないわ」



カストルさんは違う意味で捉えてくれた良かったけど、監視カメラを設置してまで顔を見ようと考えるなんてヤバい。素直に顔を見せてくれませんかと頼んだ方がましだ。それを言う心構えは出来てないけど。



カストルさんは家を出ていくと、度々こちらを振り返る。俺が追いかけてくるのを警戒してるのかもしれない。





「夜野です。今日からよろしくお願いいたします」



今日から新人のバイトが入り、只野さんも休みが多くなったから、俺が夜野さんの指導係にされてしまった。年齢も五十代で定年退職したわけじゃない。背筋も真っ直ぐできちんとした服装、真面目な感じ。スーツも似合いそうで、執事みたいかもと思ってしまう。けど、バーコード頭だったせいで執事と組み合わせたバーコードバトラーという言葉が思い浮かんでしまい、思わずツボに入りそうだった。



俺は夜野さんにレジの仕方や棚の整理、裏の仕事などを教えるんだけど、仕事中に私語がなくていいと思う人もいるかもしれないけど、仲良くするためには日常会話は必要だと思うわけだ。夜野さんは年上だけど、仕事的には先輩なわけで、こっちから話しかけるべきなんだろう。

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