バトルロイヤル開始 最後に立っていたのは誰ですか? ー11ー
「あれ? メールが届いたみたい……って、只野さんからだ」
アイドル戦記を確認してる間にメールが届いた。他にも連絡ツールがあるけど、そこまで仲が良い人がいるわけでもないのでメールだけで事足りてる。ツブヤイターも見るだけで、呟く事なんてないし。
「アイツから……一体何て書いてるの?」
俺宛で仕事関係かもしれないのに、カストルさんはアイドル戦記関連だと判断したみたいだ。
「えっ……と、C級初戦の対戦相手が決まったみたいだな。D級の一つ上だからと気を抜くな。一つ違うだけで、全く別の強さになる。互いに戦う時まで一機当千は貸しておこう」
「何? 上から目線に感じるんだけど。そんな中、私達は勝ってるとでも言いたげね。それにゲームで頑張ってもレベルが違うとか」
カストルさんは只野さんの忠告や優しさを反対の意味で捉えたみたいだ。これは俺へのメールでカストルさんには関係ないはずなのに、敵対心が凄い。
「こうなったら、返信で西園寺アスカの宣戦布告を受けて立つと送り返して。負けたら、私やアンタが仲間になる。勝ってたら、西園寺アスカはアイドルを辞めて、天川織姫の下僕になる事って」
俺を巻き込むだけじゃなく、天川織姫の下僕になれって。アイドルを辞めた時点で一般人と変わらないのに。俺達にそんな権利もないし。俺はそのままじゃなく、やんわりとした返信した。只野さんと明日香ちゃんの条件を受けますぐらいに。
「返信完了っと……西園寺アスカとの対戦が決まったわけじゃないし、その前にハガネとの対戦に集中しないと。対戦は明日みたいだし」
まだ決定してない対戦よりも目先の事。ハガネとの対戦に勝たないと、B級に上がれないどころか、西園寺アスカに勝てないかもしれない。只野さんの忠告はきちんと受け止めるべきだと思う。
「ハガネの事はいいわ。動画を見るなら西園寺アスカの対戦。アイツは研究熱心みたいな感じだから、こっちがお株を奪ってやるのよ」
俺はそれを止める事が出来ず、ハガネの対策も考えないままに初めてのC級初戦の日になった。