バトルロイヤル開始 最後に立っていたのは誰ですか? ー1ー
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バトルロイヤル当日の日曜日。それまでの間、俺は只野さんに一機当千を貸してもらう事が出来、バイトの時以外はみっちりと練習した。只野さんや明日香ちゃんとしては天川織姫が早くC級に上がって戦うためなんだろうけど、俺が上達する事は脅威にならないんだろうかと悲しくなったりもした。
「えっと……今回の戦場は地雷地帯。カストルさんは暗礁区域か」
バトルロイヤルの参加者が最終的には五百人と大多数になったせいで、半分に分けて戦う事になった。アイドルが参戦しないので戦場に二百五十人いても容量は持つみたいだ。そんな中、俺とカストルさんは分かれてしまった。チームだからか、もしくは運営の仕業か。
景品も二つに分かれても、ちゃんと用意されているみたいだ。ランキングは撃破数だけど、最後まで残ってた機体にも何か貰えるらしい。俺が無理でも、カストルさんなら何とか出来そうな気がする。
明日香ちゃんの事はバトルロイヤルに集中してもらうために何も言ってない。C級に上がらないと仕方ないからだ。
「制限時間なしか。地雷地帯とか暗礁区域って障害物で機体を破壊する気満々じゃないか」
一機当千でも二つのステージがある。敵自体それに嵌まるぐらいに大量にある。しかも、地雷地帯は最初の時、普通に着地すれば爆死するというトラップがあった。このアイドル戦記もその罠があるような気がするぞ。
そして、戦闘開始のために戦場へと降下する。俺よりも前に下に機体もいるようで、思った通りに花火を上空から見た感じみたいに爆発が連続している。最初の着地地点に地雷が仕掛けられてるなんて誰も思わないだろう。第一陣のファン達は何もしないままリタイアという虚しい結末だ。
「まずは下に向けて射撃だな」
スラスターで着地地点を微調整するにしても、一番の安全策は着地する前に、別の衝撃で地雷を反応させる事だろう。こういう時、モブじゃなくて、射撃重視のトレイターで良かったと思う。