勝つために手段を選ばなかったら、悪役になりました ー14ー
「お兄のはエロ漫画ばかりだから、実写のが見たいんだけどな」
いや、違う。明日香ちゃんはエロに耐性が出来てる。只野さんの部屋でも探索してたんだ。それに明日香ちゃんの言葉に只野さんは動じてない。妹がエロ本を読むのを認めてるんだ。
「さて、それでは準備しようか。まずはTVにゲーム機を接続するぞ」
只野さんは明日香ちゃんの行動を止めず、TVに一昔前のゲーム機を設置し始めた。
「いやいやいや! 只野さんはまず明日香ちゃんを止めてくださいよ。女の子に部屋を荒らされるなんて恥ずかしいじゃないですか」
「安心しろ。エロ本を渡せば大人しくなるさ。星野氏の好みなど、僕達は気にしないさ」
「そういう事じゃなくて」
俺と只野さんがいる中で、明日香ちゃんがそれを黙々と見るのはいかがなものか。
「本が駄目ならDVDを一つずつ確認してみようかな」
明日香ちゃんは恐ろしい事を口にする。エロ本よりもたちが悪い。三人でその映像を見るよりも、明日香ちゃんにエロ本を読ませた方がまだマシだ。
「……それだけはやめてください。これでご勘弁を」
俺はタンスのトランクスが入ってる場所からエロ本を一冊取り出して、それを渡す事にした。勿論普通のコンビニに売ってるような物だ。
「仕方ないですね」
明日香ちゃんはエロ本を受け取ると、タンスの前に座り、一ページずつ舐めるように見始めた。
「はぁ……それで、昔のゲーム機で何をするつもりなんですか」
只野さんに教えてもらう前に精神的に疲れた。
「アイドル戦記の元になった昔のゲーム。一機当千というアクションゲームをプレイする。視点は違うが、機体や武器の特徴が似ている。それにD級レベルならCPUの上級と動きは変わらないと思うぞ」
只野さんが起動させたゲームはロボット一機で何百という相手を倒していくアクション。ロボットをカスタマイズしたり、ステージも色々あってアイドル戦記の元というのも頷ける。違うのは画面に自分が操る機体が見えてる事と、コントローラーで操る事。敵がCPUというのもそうだ。VRとは違うけど、只野さんの言う妄想の力という意味が何となく分かった。