勝つために手段を選ばなかったら、悪役になりました ー6ー
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「星野氏、凄い反響になってるな。戦乙女でもD級ながら一ページでも取り上げられた。そんな事は初めてだぞ」
今回は只野さんの家じゃなく、俺の家。そこでネットでアイドル戦記の攻略サイトを二人で見ていた。まぁ、攻略というよりもアイドル戦記の雑談する場所。ファンの垣根を越えて、色々書かれている。そんな中、一番の話題となってるのが天川織姫。アイドルとして認められないとか、顔を見せろとか。戦闘の是非などなど。オールマイトと安室さんの番組で連続で取り上げられた物だから、変に注目されてしまっている。
それに『会員になりたいのに、どうすればいいか分からない』『ファン二人のままで、C級に上がったりするのか?』とも書かれている。
俺は携帯の方で天川織姫のサイトを確認すると閲覧数、入った人数が格段に上がってた。それなのに会員登録の仕方は未だに設定されてない。
アイドル戦記のランキング。それは勝利数じゃなくて、ファンの数で決めてるらしく、天川織姫は最下位のまま。だからといって、C級に上がれないわけじゃない。D級には明日香ちゃんよりもファンが多いアイドルは存在していて、ファン数よりも、勝利数が進級に必須というわけだ。
そのせいでこういう意見もある。『C級に上がられて、どう戦うか見てみたい』『D級アイドル全殷戦意喪失するだろ』
級が上がるほどにファン数が増え、C級は殆どが百人以上のファンが付いている。明日香ちゃんのファンもC級の戦争を経験した事で、ファンが倍の人数になったと只野さんが報告してくれた。
「そうなんですかね。こっちとしてはいっぱいいっぱいなんですけど。あんな戦い方をしたから、他のアイドルのファン達に標的になってそうだし」
「否定は出来ないな。まぁ、D級のアイドルが戦意喪失は嘘だと思うぞ。勝ち負け云々として、星野氏、天川織姫と戦えば、少しでも注目されるわけだ。水鏡リンも戦いたい相手とコメントがあったらしいぞ」
水鏡リンは明日香ちゃんとのC級争いに負けたアイドル。今はD級一位といっても過言じゃないだろう。そんなアイドルが勝負したい相手に選んでくれるなんて。
「それとマイシスター明日香も星野氏を褒めてたぞ。あれは天川織姫の歌じゃなく、星野氏の活躍だってな」
それは明日香ちゃんは俺を褒めたんじゃなくて、カストルさんに対する愚痴だと思う。