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勝つために手段を選ばなかったら、悪役になりました ー4ー

マチルダの歌が発動している以上、その効果がある内に橋に空いた穴を飛び越してくるはず。遠距離攻撃が通じない場合に備えなければならない。



橋に移動しながら牽制のために何発かグレネードを発射すると、まぐれながらも一機に命中した。しかし、損傷するだけで爆破まで至ってない。威力はスナイパーライフルよりも上なのに、それが出来なかったのはモブ達の強度が上がってる。マチルダの歌は防御力を上昇する効果があるわけだ。



グレネードが当たって撃破されない事が分かると、一斉にモブ達が攻め込んでくる。効果も歌が終わるまで。勝負を決めるのが今だと相手も分かってるんだ。



となれば、こっちも歌の力に頼るしかない。攻撃も通じない今、天川織姫が歌うのはこのタイミングしかない状況。



そして、ついに天川織姫が歌い出した。



「えっ? これって歌なのか」



確かに天川織姫の声なのは間違いない。けど、サイトで聴ける歌じゃなかった。天川織姫自身、所属はなく、自身で作詞作曲を作ってたのは知っている。だから、違う歌が流れてきても問題はなかった。それなのに曲が流れ出す事もなく、『ラー』と声を出し続けるだけ。それだけなのに力強く、マチルダの歌を飲み込むほどの歌唱力。




「確かにこの声なんだけど……違和感があるような」



そんな事を少し思ってしまったけど、すぐに現実に引き戻される。



アイドルの歌はファン達、機体に何かしらの力を与える。マチルダのモブ達は恩恵を受けてるのに、トレイターには何も起きた様子はない。機体に何の変化が起きたか教えてもらわないと意味ないぞ。



「そこのところは只野さんの攻略本にも書いてなかったし、カストルさんも天川織姫がアイドル戦記で歌の力を借りてなかったよな……って、あれ?」



モブ達がこちら側へ飛び越えるためにジャンプしている。それが跳躍が足りなかったのか、着地も出来ずに海へと落ちていく。



それだけじゃない。何か能力が向上してるかとグレネードを発射してみる。地面に当たるとグレネードの威力は何も変わってない事が分かる。それなのに、マチルダの歌が続いているのにモブの一機を撃破した。



「天川織姫の歌というのか……俺に力を貸してくれるんじゃなくて、相手の機体の能力を低下させるわけ。しかも、アイドルの歌声力も打ち消してるし」



その能力に何の対策もなしでは勝てないと、マチルダは時間があるのにも関わらずギブアップして、天川織姫の勝利が決定した。

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