夏イベントは海、祭、肝試し ー88ー
「あれって……人なの。機体に乗る事で戦場に出る事が可能であって、それが出来たとしても機体と同じ大きさなんて」
戦艦や機体から歌声を流す事は出来るが、アイドルだけでなく、ファン達がそのまま出撃する事はない。人に似た機体も存在はするが、それを間違えるはずもない。
上半身が体を得たが、下半身が存在しない事で動く事が出来ない。服を着ているようだが、胸の大きさで女性だと分かる。それもカシオペアのユニフォームであり、みかんの色を示している。
「夢椿嬢と色違いの服を着ているという事は……意識不明になったみかん嬢か」
夢椿の場合、只野や銀河と出会えたという事もあって無事にいる事が出来たのだろう。だが、みかんは一人の時に撃破され、夢椿も助ける術を知らなかった。
そうなると一つの可能性が生まれてくる。五右衛門やジェミニのような存在になるという事。化物に変化する直前とも考えられる。それもみかん本人だと確信があるわけではない。顔の部分は黒い状態のままなのだ。
「あの状態になる前に撃破すれば……いや、駄目だ。絶対というわけじゃない」
上半身が顕現されているのであれば、攻撃する事も可能だろう。撃破する事で五右衛門と同じように死ぬ事だってあるのだ。
その事がエンペラーと対峙していたのにも関わらず、只野と銀河の集中を乱す形となった。
「しまった! こんな形で倒されるとは……」
エンペラーの攻撃によって銀河機は撃破された。近接攻撃という事もあって、首を斬られた後、胸を突き刺されたのだが、爆破するのではなく、行動が停止する形になった。戦場からは離脱するのだが、銀河機を倒す事によって、黒かった顔の部分が形を得た。
それは……。




