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夏イベントは海、祭、肝試し ー86ー



「次々と試作機が自爆していきます……明日香ちゃんも例外ではないみたいですね」



どの試作機が明日香機だと察しており、それが自らの胸を刺す姿を確認した。



銀河と只野には何も影響がない。体が一つというのもあるかもしれないが、全員が暴走しているわけではなかった。みかん機を撃破した二機と、残り二機が無事のようだ。



銀河達の試作機を含めて五機。それはみかん機の数と同じであり、カシオペアの人数と同じでもある。



「みかん機を撃破した試作機だけ残されるのなら分かるが、何故あの二機なんだ? いや……あの二機が残りを撃破すると何か起きるのであれば」



只野はエンペラーやみかん機ではなく、撃破していない二機を標的にした。みかん機を自らが撃破するのもありだが、撃破する事自体が問題になる可能性を示唆しなければならない。



みかん機はビル内に潜むのを止め、外に出た。それは三機も倒されれば警戒する。もしくは、倒されるために出てきたのか。狙撃を続けるが、あの二機には無警戒のように見える。それだけでなく、その二機を撃破する事を邪魔しているかのよう。



「みかんに関係するアイドルなの? 私達は例外だとしても……残す事は出来ても、その前は無理なはず」



「みかんと同じ所属のアイドルはいなかった。別の理由……一次審査か二次審査で選別したのかもしれないが……」



只野は試作機二機にロックオンした。操られた様子はなく、みかん機を撃破を優先せずに他の二機を倒しに向かっている。その動きは只野にとっては照準を合わせる事は造作もない事だった。



他の二機も同じ。向かってくる相手を迎撃しようとしていたのだが、いつの間にか爆破されていた。それは自爆したのではなく、エンペラーが動いたのだ。



最初にいた場所には、人の半身の形をした黒い物体だけが残っていた。




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