女子二人を相手にするのは許容範囲を越えてます ー4ー
「えっと……貴女がカストルさん?」
俺の質問に答えるように頷いてくれたけど、装備してる物を外してはくれないみたいだ。
「それにしても、自分が彦星だと分かりましたよね」
俺はネットとかに顔を晒してないし、明日香ちゃんも俺の名前を呼んでない。
「……で、側に女は一体何?」
明日香ちゃんもそうだったけど、何で俺の言葉を時々無視するんだろう。まぁ、カストルさんが練習相手になってくれるのに、無関係の人を連れてくるのはどうかと思うよな。
「誰って……星野さんの彼女です」
「はっ!」
明日香ちゃんは俺の実名を口にしただけでなく、彼女だって嘘を吐いた。
「冗談ですよ。星野さんもそんな凄い顔をしなくても」
俺は彼女と言われて凄い顔をしてたんだろう。明日香ちゃんはそれを見てケタケタ笑ってる。こういう事するから女は怖いんだ。カストルさんも笑ってくれたら良いけど、表情も分からないし、笑い声も聞こえてこない。
「貴女の声、それにその表情に見覚えがあるわ。西園寺アスカよね」
カストルさんは明日香ちゃんの声や表情だけで西園寺アスカと見破った。というか、カストルさんもC級に上がったばかりの西園寺アスカを知ってる事に驚いた。
「……当たり!」
俺は明日香ちゃんが西園寺アスカとは別人だと答えると思った。けど、どういうわけかカストルさんには正体を隠す事はしなかった。