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勝負は何が起きるか分かりません ー11ー



「ちょっ! それは酷くないか」



確かにオタ芸のタイミングが分からなくて、アリサ二乗が歌が聴こえてきて、急いで披露したわけだ。合わせる事は出来なかったけど、俺的にはちゃんと踊れていたと思う。それなのにこの仕打ち。



「前回のお返しよ。まぁ、不細工な動きだったけど、次から練習に付き合ってあげるわ」



トレイターが破壊される前に聞いた言葉。カストルさんの声は女性。前回のお返しと言われたら文句が言いにくい。けど、天川織姫を勝たせるためには協力が必要。それにまた俺達は色物扱いされそうだ。



ゴーグルから見える映像は搭乗者ではなく、視聴者視点に切り替わった。今は俯瞰の景色。全体の動きが確認出来る。それにオールマイトや安室さんの声も聞こえてくる。



『トレイターの爆破によって、有佐アリサ達の動きが一時的に止まりましたね。また同じ終わり方と思ったんでしょう。それによって、フェアレーターは時間のロスを帳消しにする事が出来ました。ですが、有佐アリサ側は眼鏡の歌によってフラッグの場所を把握しています』



アリサ二乗の歌声が聴こえてきた時点で、行動に遅れているのが分かった。それにアリサ二乗の眼鏡の歌の能力。市街地というジャングル、迷路の中で迷わずにフラッグまでたどり着ける。



「どうするんだよ。相手はフラッグの位置が分かってる。一機が手に入れたら、他は邪魔すればいい。明らかに不利じゃないか」



けど、俺が思っていた戦況とは違う展開になっていく。



『有佐アリサ側のモブ達は行動を再開。僅か一分ほどです。そのぐらいであれば距離の差を埋めるのは難しいと思われましたが、フェアレーターの動きは速いですね、安室さん』



『三倍はあるように思ってしまいます。性能が上であり、操縦技術も高いのでそう見えるのかもしれません。あのファンの動きはA級並みです』



確かにモブ達は曲がり角ではスピードを落として旋回するのに対して、フェアレーターはそのまま曲がりきる。まるで自分の体のように動かしてるようだ。



『先にフラッグがある場所に着くのは天川織姫側、フェアレーター。スピードが時間の差を逆転させました。それに市街地の中心という言葉をきちんと把握していたのでしょう。ですが、フェアレーターはそれを取りに行きません』



フェアレーターからはフラッグが確認出来る位置まで来たはずなのに通り過ぎ、アリサ二乗側へと向かう。



『戦艦狙い……いや、後方から攻撃されるよりも、先に敵を倒す事を選んだのかもしれません。フェアレーターは一機のみ。支援する機体は自身が破壊してしまいましたから』



安室さんの言葉通り、カストルさんが操るフェアレーターはモブ達を狩っていく。機体には索敵機能がついているから、相手の場所が把握出来る。モブ達はフェアレーターの動きに対応出来ないだけでなく、眼鏡の能力が仇になっていた。



視力の低下ではなく、ビル群が透けて見える事によって距離感を掴めなくなっていたみたいだ。フェアレーターに投げたグレネードもビルに当たって、倒壊に巻き込まれもしていた。



それでもフェアレーターが圧倒的だったのは誰が見ても明らか。フラッグを戦艦に持ち帰る事よりもモブ達を全滅させ、戦艦が撤退した事によって今回の戦争は終わった。

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