夏イベントは海、祭、肝試し ー37ー
俺はリベリオンからエネルギーを受け取ったけど、武器の弾数は回復しない。リベリオンは固定武器だから回収する事が出来ないからだ。リベリオンとフェイカーは同じ武器だから、それを可能なんだけど。
「さてと……ここからどうするかだな」
リベリオンはエネルギーを渡した事でこの戦場から離脱した。それは明日香ちゃんとの通信が切れたという事だ。自分の判断だけで動かないと駄目というわけだ。装備は盾二枚にマシンガン、二つのグレネードだ。一つは盾に付けた物の残り。二つ目は広範囲用が一発。
『無視しないでよ。そんなのだったら、すぐにでも撃破しちゃうぞ』
アヤメちゃんは俺が話を聞いてないと感じたみたいだけど、ちゃんと耳に入ってきてる。今のライムの歌が全部英語なのか、遊園地のライトが光続けてる。これで服部半蔵が姿を見せてくれた方がありがたいんだけど。
「別に構わないよ。こっちは戦闘を楽しむ余裕なんてないので」
マシンガンを構え、盾の二枚を自身に展開。服部半蔵は一撃でも与えたら撃破するので、カウンターを狙う。接近したところで広範囲のグレネードを自身の上に放つ事も考慮する。
服部半蔵は視界に入る場所に姿はなく、索敵にも映らない。隼と位置を交換し、リベリオンを撃破したんだから、離れた場所にいるはずがない。
『そうなんだ?』
服部半蔵が隠れる場所もなかったところから突然姿を現し、こちらに向かってきた。それが一機だけならまだしも、別の場所からも二機出現した。
「ぶ、分身の術! そんなのありかよ」
三方向からの攻撃。本物が一機なのか、全機攻撃可能なのかも分からない。
まずは一機をマシンガンで撃つ。するとホログラムだったのか映像がぶれるだけで、再び元に戻った。これは偽物という事だ。
残りは二機。二機の服部半蔵は隼のように手裏剣の忍具は使わず、刀を持っている。さっきの一機もそうで、同じ姿を模倣しているわけだ。
攻撃が間に合ってもぎりぎりで一機だけ。二分の一の確率。盾も二枚あるので、この場面は何とか凌げるはず。
距離はほんの二、三メートルで攻撃が間に合ったけど、それも偽物。もう一機の攻撃は二枚の盾で防ぐ形をとったけど、その攻撃は盾だけでなくトレイターもすり抜けた。




