夏イベントは海、祭、肝試し ー35ー
それでも一撃を防いだだけ。三枚の盾を要しても確実に守れるわけじゃない。接近戦であり、リベリオンには防ぐ術がないからだ。
隼は盾を踏み台にして、リベリオンの前に立ち塞がろうした。盾は隼の攻撃を防いだ上に設置したのと、二枚の盾がリベリオンを中心に回転している。その隙間を狙うつもりなんだろう。
後方に跳べば、トレイターの射程範囲に入る可能性があり、前方ならリベリオン自身が隼への攻撃を遮断する壁となるわけだ。
「成功するとは思わなかったけど……明日香ちゃん、狙うなら今だ」
隼は忍さんの操縦で前方に跳んだわけじゃない。爆発によって下半身が大破し、跳ばされた形。
「分かってるけど……この場面でやるなんて、前もって言ってよね」
俺は盾の攻撃手段を増やした。直接盾をぶつけるわけじゃない。盾に手榴弾を付け、相手の攻撃で爆発するようにしたカウンター技。
守られた側も被害を受ける可能性があり、接近戦を得意とした相手にしか効果がない。それに盾を一枚使えなくなるというのもある。課金して盾を強化すれば何とかなるかもしれないけど、そこまでには至ってない。
忍者型は装甲が弱く、敏捷重視。その足を失った隼はリベリオンの固定武器でさえも避ける事は出来なかった。
「よし! これで厄介なのは服部半蔵だけだね。本当は隼じゃなくて、服部半蔵に盾のカウンターを使うのがベストだったけど」
「仕方ないよ。二機で戦えるだけましだと思わないと。こっちはフェイカーのエネルギーを貰ったから、トレイターも早く」
リベリオンはフェイカーと触れる事が出来たみたいだ。隼とフェイカーが撃破された場所は目と鼻の先。
索敵で周囲には敵がいないのが確認出来た。服部半蔵が撃破した機体からしても、ここから離れた場所にいる。明日香ちゃんの警戒が薄れても仕方がない。
何が起きたのか分からないまま、俺と明日香ちゃんが会話してる最中にリベリオンは撃破されてしまった。
ロングレンジの攻撃は色々なアトラクションが邪魔をする。観覧車から高角度で狙うにしても、暗闇の状態では一発で当てるのは難しい。




