夏イベントは海、祭、肝試し ー29ー
「ああ……目立つ状態だから、エネルギーを使い切るのもありだと思うんだけどね。条件が揃ってないでしょ」
コード『ガンナー』を発動するには条件があったとのを忘れていた。発動するためにはリベリオンがリミッターを解除しなければならないんだけど、それは西園寺アスカが自身の歌で強化する。それは時間制限もあり、武器も無くし、スピーカーとなる。ただ、格段にスピードが上がり、攻撃を掠りもさせない。
リベリオンは大丈夫なんだけど、問題なのはトレイター。合身するためにはトレイターも、リベリオンと同じ効果を受けないと駄目であって、天川織姫が西園寺アスカの歌を歌った。前回は特殊な世界だったけど、今回のイベントで天川織姫の歌は届くわけがない。
「敵を引き寄せるのは同士討ちを狙ってもらおうかなって。私達だけに構ってられない状況にすれば何とか」
「けど、集まるのがライムのファンばかりだったら今以上に危険な展開になると思うんだけど」
リベリオンを追ってるのはライムのファンか、別のファン達の集団。索敵で場所が分かるんだから、敵が減ってないのはそういう事なんだろう。
「でも、合流しないとあの二機に対抗出来ないよね。あっちには得意な舞台だと思うし」
明日香ちゃんが言ってるのは勿論服部半蔵の事だろう。英雄機一体でも手に負えないのに、連携出来る隼もいるわけだ。一対二の戦いを避けるしかない。
「あの……先に倒されて申し訳ない。けど、撃破された状態でも、条件というのを満たせる手助けをする事が可能だと思う」
撃破されたはずのフェイカーさんから通信が届いた。機体は爆発せずに戦場に残されたままらしい。だからといって、飛ぶ事も出来ず、攻撃する事は当然出来るわけもない。
「いや……手助けって、何をするのか分かってるんですか? そう言って貰えるのはありがたいんですけど」
「ああっ! リベリオンとフェイカーの機能が同じなら……けど」
明日香ちゃんは何かに気付いたみたいだ。確かに氷の作品では同じ動きを見せた。フェイカーさんの操縦もあるけど、性能も同じだから出来た事だともいえる。




