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コンサート第一幕 ー8ー

「ここなのですが……こんな場所で申し訳ないです」



ポルックスさん達の移動や着替えなどの邪魔にならないように、舞台裏の隅に筐体が一つ置かれている。



「あれ? 筐体は二十台用意されてるんじゃないんですか」



練習なわけだから、二十台の中から使っても問題ないと思うんだけど。それだと夢椿さんが隣にいても良いはず。



「他の筐体は宙に浮くような形で、ステージに準備されているんです。私達は専用の筐体で、あの部屋から舞台へとデータが送られます。主人公機はこれにしか使用出来ないんです」



「あっ……そうなんですか? この場所で一人……ここしかなかったんですよね」



誰も来ない場所だから、明かりがあまり届かない。仲間外れみたいな感じが半端ない。協力してもらう待遇じゃない気がしてならないんだけど、夢椿さんに文句を言うのもおかしな話だ。



「はい……本当にすみません。時間も迫ってるので練習の説明をします。同じチームなので同時に出撃となりますが、二つに分かれるのと、通信も私しか繋がらないようにします。本番は私達五人にだけ声が届きます。一般の方々には届かず、彼等は自由に動くと思いますので」



「な、なるほど……練習が終わったら、俺はどうすればいいんですかね? 誰かが迎えに来てくれるとかは」



「……それは……アイドル戦記が始まるまで、その場所で待機になるかもしれません。一人だけでも練習出来るように言っておきますので……あっ! すぐに起動してもらって構いませんので」



夢椿さんは頭を下げ、ポルックスさん達がいる部屋に戻って行った。少し離れてスタッフ達の声や動く音が聴こえてくるのに、孤独だと実感してしまう。



「はぁ……起動しても良いんだったよな」



今回は自分の携帯を繋げるんじゃなく、ゴーグルや手袋を着けるだけでいいみたいだ。そうじゃないと機体がトレイターになってしまうし、彦星だとバレてしまう。



「おおっ! アニメの最初だから一機一機が違う機体じゃないみたいだけど……」



起動してみると、夢椿さん以外の機体が出撃可能な状態になっていた。それにそれぞれの機体情報が開示されている。機体の基礎は同じで性能はノービスの二つ上であるナイトぐらい。違いがあるとすれば色違いなのと、タイプに合わせて運動性や装甲などの割り振りぐらい。



俺の機体は白色でナイトと何も性能の変化がないバランスタイプというべきか。その中で気になるのは、機体がフェアレーターに似ている事。黒色ならトレイターだ。アニメ制作を考えると、二機を元に考えたというのもおかしな話になるんだけど。



「アニメも似たり寄ったりのがあるわけだし、偶然かな。夢椿さんもログインしたから、集中しないと」



ポルックスさんの機体は赤、夢椿さんが黒、蒼さんが青、みかんちゃんが黄色、影幻さんが緑。出撃という文字が点滅している。俺も出撃を押せば、アイドル戦記の世界に入る事になる。深呼吸を一回して、俺は戦闘に飛び込んだ。

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