コード『ガンナー』起動 ー13ー
「まぁ……日と時間次第ですかね? バイトをやってるんで」
アイドル戦記をする時間と被る事はないと思うけど、こっちもバイトをしてる身だ。今回ので急に休んでしまって迷惑をかけてしまったから、頼まれると文句も言えない。
「あっ! それなら大丈夫じゃないですか。手伝って欲しいのは明日なんですよ。時間も昼過ぎからでアイドル戦記が終わるまで。天川織姫の対戦もなかったから」
確かに店長とか明日退院だと知らないわけだし、バイトのラインには入ってないと思う。アイドル戦記の対戦もないのも確認してるみたいだ。どこも悪くなく、寝てただけだとしても、退院してすぐに手伝わせようと思うなんて、結構酷い気もするんだけど。
「……俺を選ぶのは、前のイベントみたいにトレイターを出すためですか?」
それ以外に俺を選ぶ理由はないと思う。アイドルに会えるなら、自分達のファンに頼んだ方が人気が上がったりするはず。
「違いますよ。アイドル戦記も生中継するだけで、メインはライブだから。その裏方、荷物運びとかして欲しいんですよ」
ポルックスさんは俺にチラシを渡してきた。それはライブ開催を知らせるもので、ポルックスさんを含めたアイドル五人の名前が出てる。アニメの中で五人組のユニット結成記念みたいだ。その中で一番上がB級で二人、他はC級も二人でD級が二人。今から売り出そうとしてるアイドルを選んだのかもしれない。
「えっ! メインヒロイン役なんだ」
アニメのヒロインの声をあてるのはポルックスで、主題歌もメインボーカルになってる。驚くのはポルックスさんがD級アイドルだという事。B、C級を差し置いて選ばれてるわけだ。それにS級トップの竹中かぐやと同じ所属だとしても一緒にイベントをしたのも凄い事だったわけだ。
「私自身も驚いてるんですよ。アイドル戦記に参戦したのも最近だったから。確か……その時には織姫さんはC級に上がってましたね」
という事は本当に最近。アイドル戦記で注目されてたらオールマイトと安室さんの放送、それ以外でも流れてそうなのに、見た事がない気がする。いや、C級に上がった事で下を見ようとしなかっただけかも。
それと悪くいうつもりはないけど、ポルックスさんは凄く可愛いわけでもなく、どこにでもいる女の子って感じ。しかも、アイドル戦記内で顔見せ出来るのはC級から。話す時の声は普通に聞こえるけど、歌声となれば違うんだろうか。
 




