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勝負は何が起きるか分かりません ー3ー



「日曜日の対戦が全て終わったので、視聴率が高かったベストテンをダイジェストで流していきます。勿論お伝えするのは私、オールマイト。解説は安室さんです」



日が変わって月曜の深夜。この時間は一週間に起きたアイドル戦記の戦争をダイジェストで放送する時間。毎日アイドル戦記の番組はあり、時間帯もバラバラ。ネットでは再放送が流れたりもしている。



「ベストテンはS級の戦争ばかり。やはり、力のあるアイドル同士の戦いは魅力がありますからね。それにライブのようにアイドルの持ち歌を何曲も聴けるのも醍醐味です。続いての映像は、初のCD発売を決めた西園寺アスカ。今週の戦争で恩恵を受けたのは西園寺アスカのみ」



有名アイドル達の映像の後、西園寺アスカと水鏡リンの戦争が映し出された。アイドル戦記の恩恵を受けたのが西園寺アスカだけなら、これで放送は終わるはずだった。



「安室さんは今回の中で一番だったのは何戦ですか?」




「そうですね。私としては日曜日にあったD級戦。有佐アリサ対天川織姫の戦争を推します」



「なるほど! あの戦いですか。初参戦のアイドルとして私も見ましたよ。あの終わり方はアイドル戦記初ではないですかね」



最後の映像は有佐アリサ対天川織姫の戦争。二対二十の戦力差。誰も観戦しなさそうなのに、二人は注目していた。



「二対二十の対戦。ハンデとして天川織姫は三分という時間を得ました。人数が少ない中、目立つにはこの時間しかありません。戦争前の儀式であるオタ芸を披露するべきでしたが、まさかの仲間を巻き込んでの誤爆。戦争終了の最短時間であり、有佐アリサはフィールドにも出てません。天川織姫ではなく、有佐アリサも歌声を披露出来ず、何のための戦争だったのか」



オールマイトは笑いもせず、真顔で説明していく。ある意味伝説となる一戦かもしれないが、アイドルにとっては不幸。アイドルよりも誤爆したファンの方が目立っているからだ。



「安室さんは何故この戦争を選んだのですか?」



「それは新しい機体が二体も登場したからです。トレイターとフェアレーターの黒と白の色違いであり、名前の意味は同じ反逆者。S級アイドルのファン達の誰も乗ってません。どのような性能なのか知りたかったのですが。私としては次の戦争に期待しますね」





「ふはははは! 何度見ても笑ってしまうな。ファンは増えなくても、星野氏の戦争を視聴する者は増えるぞ」



ここは只野さんの家。俺はバイト帰りにお呼ばれしたわけだ。実家暮らし、部屋は西園寺アスカのポスターで埋め尽くされてると思ったけど、それが一枚もなく案外普通だった。



何のために呼ばれたのか分からなかったけど、この映像を俺に見せるため。俺の初戦が番組で流されてるなんて初めて知った。



「最悪だ。これがネットで流れてるなんて。只野さんも笑うために俺を呼んだとか、人が悪いですよ」



初戦が終わった直後、掲示板にカストルさんが初めて書き込みをしてくれていた。



『アンタ馬鹿?』


『馬鹿なのよね?』


『馬鹿でしょ!』



三つに分けて、俺は馬鹿扱いされた。それについて何も言い返せなかった。こっちは巻き込んでしまったわけだし。ヘルプ機能を使えば、武器の説明をしてくれる事をその後に知った。



天川織姫は至っては何のコメントも残してない。それが逆に申し訳なくなる。

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