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只野救出作戦 ー20ー



「カストルさんは掲示板を見てないのかも。それでも試してみるんだよね」



俺と明日香ちゃんがいるのは大型のゲームセンター。深夜までやってるのを調べてみると、俺達が住んでる市内の中心の駅付近しかなかった。そこで待ち合わせの時間を知らせたけど、カストルさんからは何の返事もなかった。



明日香ちゃんは一刻も早く、只野さんを助けるため、親を説得したみたいだ。一人じゃなく、俺も一緒という事で納得したらしいけど、どこか腑に落ちない部分がある。信用されてると思ったほうがいいんだろう。



「当然! アイツの力を借りるつもりなら、返事を待ってから集合しますよ。時間も迫ってるし、急ぎましょう」



時間は零時まで十五分を切っている。ここのアイドル戦記練習用の筐体は二十もある。こんな遅い時間に全てが埋まってる可能性はないと思ってたのに、殆んど埋まった状態になっていて、残るのは二席のみ。丁度、俺と明日香ちゃんで埋まった形になる。



「おっ! アイツらは確か天川織姫の……」

「……って事は期待出来るんじゃ」

「ここに集まったのは同じ目的?」



筐体は埋まってるのに、練習画面を映し出すスクリーンは真っ黒なまま。誰も起動してないみたいで、何かを待ってるみたいだ。その人達が俺達を見たところで、何かを期待する雰囲気になった。



それも全員が一緒のチームというわけじゃなくて、二人組ばかり。アイドルのTシャツがそれを教えてくれる。殆んど互いが向かい合わせになっていて、隣合わせなのは俺と明日香ちゃん、他に一組だけ。



「これって……親父さんの情報通りと思っていいかも。私達のところに出てこなくても、他のところに出る事が確認出来るかもしれない」



この時間に筐体が埋まるまで人が集まったのは、親父さんのように情報を手に入れたから。他の場所で試してる人達がいるかもしれないけど、遭遇する可能性はあるわけだ。



そして、全員が五分前に起動された。零時丁度に起動するんじゃなくて、降臨するのがその時間みたいだ。次々とスクリーンに映し出されるのを確認すると、俺と明日香ちゃんも急いで起動された。時間としては零時まで十秒前ぐらい。戦場の画面に切り替わる事を考えるとギリギリ。ランダムにしたから、どこが戦場になるのか俺と明日香ちゃんは分かってなかった。



降り立つ直前、ゴーグルの中にスノーノイズが入るのと同時に、攻撃を受けたわけでもないのに手や足に振動が走った。そして、何の感覚もないままに機体、トレイターは地に足をつけていた。



その場所は宇宙でないのは当然として、市街地でもなければ、自然の中でもない。本当にゲームの中というべきか。漫画やアニメの中に出てくる電脳世界。レーザーの檻にある宇宙のような感じ。

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