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闘牛場

作者: 又此空太

 その角が僕を貫く時、私は生きてはいないだろう。ああ妹は生きているか。

 ーー角が僕を貫いた。ああい痛い。ふざけんじゃねえぞてめえ。

 腹から血がポタポタ流れてくる。……。

 ううん、くそっ、どうすればいいんだ。

 僕はいま、闘牛場にいる。非合法の。そしてその牛には角が生えている。

 ーー人を殺せる程度の。

 パパ、ママ、見てますか。息子の勇姿を。ともかく。

 こんなこんがらかったでたらめな世界から早く抜け出したい。

 そして家族みんなで仲良く過ごす。

 ーーそれを夢見ている。

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