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001 自然は循環する

いったいどうしたことだろうと彼は思っていた。

暗い世界に光がさした。

目が開くまでに、どれほどの時間が流れたのかさえはっきりしない。

体の感覚と意識の接合が上手くいっていないみたいだ。

精神と肉体が馴染んでいない。

彼が持っていた記憶が、純粋に取り込まれる外からの情報に影響している。魂と脳の理解に差がある。そのせいで情報を正しく認識できないでいる。

得体の知れない何かが彼を見下ろしている。

しかし、そのことに恐怖は無い。

向けられる視線も、かけられる声も、触れる肌にもぬくもりを感じさせる。

愛情や信頼や希望。これはきっとそういう何かだと心に響いている。

彼がそう感じている周りの世界はどうなっているのだろうか。




「見て、この子笑っているわ」

「そうだな」

母親が赤ん坊を抱いて、父親はそんな二人を見つめてとても幸せそうだった。

もちろん、赤ん坊の魂が異世界からの生まれ変わりだと夫婦は微塵も思っていない。

赤ん坊の中の魂が自分の境遇を正しく認識するのは、自分でハイハイできるようになった頃であった。

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