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転生クリエイション 〜転生した少年は思うままに生きる〜  作者: 諸葛ナイト
第一章 第四節 シリアルキラー

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ゴーレム群(上)

 客間の外に出たがどこを見てもアヴィケーの姿はない。

 外からはゴーレムと騎士との戦闘音が響くところから考えて、おそらく外には逃げてないはずだ。


「くそ! どこに行った!」


「ライト!!」


 そうしていると声をかけて来たのはミードだ。


 剣を抜いているが強い焦りは感じない。

 まだ、いつも通り彼のままだ。


「アヴィケーは捕まえたか?」


「いや、すまない。逃げられたんだ……。

 俺も追って来たんだが、見てないみたいだな」


「だとしたら地下に逃げてるはずだ。

 ホーリアから聞いたから間違いはないだろう。状況的に見てもな」


「地下、地下か……」


 下へと視線を向け、周りへと視線を軽く巡らせる。

 だが、魔術で隠しているのか、元々ここにはないのか地下への入り口らしいものは見られない。


 周りにはゴーレムが湧いているため、今から探したのでは少し時間がかかってしまう。


 その間に何かしらの魔術を使われ、逃げられでもしたら次に彼を捕まえる機会はいつ訪れるかもわからない。


 ライトとミードが歯噛みしている時だった。

 床と壁が突如崩れ、その破片が固まり、集まり、人型の形を作ってゴーレムとなった。


 形状は両腕が剣になっているだけで他は今までのものと変わらない。

 しかし、数が多い。


 合計で八体。それぞれ頭部にある特徴的な黄色い一つの目が光を放っていた。


「なぁ、ライト。ゴーレムってのはコアがないと動かないはずだろ?」


 ミードの疑問はもっともだ。


 ゴーレムの素材となっているように見える周りの壁や床の量に対してその数はあまりにも逸脱している。

 コアも一個一個用意しているとは考えにくいような数でもあった。


「さぁ? この工房ってのはそういうものなんだろ、たぶん」


 工房とは魔導師が魔術の研究をするために作った施設。

 だが、それと同時に魔導師が自分の魔術を保護するための自衛施設も兼ねている。


 そのため防衛装置のようなものが必ずある。


 おそらく、このゴーレム群も何かしらの魔術や細工があらかじめてされていたのだろう。


 本来ならばそれの発動を避けるために先にアヴィケーを捉える手はずだった。


 しかし、その思惑は失敗。

 混戦状態に入り、泥沼化し始めている。


 一体のゴーレムが剣を高く掲げ、それをライトへと振り下ろした。

 その一連の動作はつい先日戦ったゴーレムとほぼ同じだ。


 そのため、その一撃をたやすく剣で受け止める。


 その勢いにわずかに押されたが重心を落とし、踏み込むことで堪える。


 しかし、力の差は歴然でゆっくりとだが確実に押されて始めた。


「くそ! 邪魔なんだよ!!」


 ライトがゴーレムと鍔迫り合いをしている中で右にいたゴーレムが刺突を繰り出そうと接近。


 それを視認するやいなや息を吐き、軽く上体を右前へ進ませた。


 ゴーレムの剣は急に減った力に対応しきることができずにそのまま地面に刺さる。


 それはすぐに地面から剣を抜くがその頃にはライトはその懐に入り、左の拳を引いていた。


 この距離まで詰められれば、普通の剣なら逆手に持ち替えてせめて相討ちにはできたかもしれない。


 だが、ゴーレムの剣は腕との一体型。

 そのため剣を持ち替えるなどできるわけもなく、ライトの一撃をその身に受けるだけだ。

 

「クリエイション、バンカー・バスター!!」


 ライトの左の拳はゴーレムに触れる寸前で止まった。


 その突き出された拳から飛ばされた魔力はゴーレムの内部に侵入、浸透。


 ライトにより内部に無理やり流し込まれた魔力は一瞬で反応をはじめ、一気に膨張。

 バキバキとゴーレムの外装にヒビが入る音が響き始めてすぐ、内部から粉々に爆発させた。


 咄嗟に浮かび創った【バンカー・バスター】。


 それは殴る蹴る、その他様々な方法であらかじめ決めた範囲に精製した魔力を流し込み、浸透させる。


 浸透された魔術はある一定の大きさまで膨れ上がると一斉に爆発、対象を内部から壊す魔術。


 例えゴーレムの外側がどれほど硬くとも、内側から破壊されては外側の硬さなど意味をなさない。


 ちなみにだが元の世界にも同じ名の兵器があり、その和名は地中貫通爆弾。

 まさに土で作られたゴーレムを破壊するにはピッタリの魔術だろう。


「バンカー・バスター!!」


 ライトに近づきつつあったゴーレムへと剣を突き出す。

 同じ原理で魔力を送り込まれたゴーレムは内部から爆発四散。


 しかし、そうしている間に別の個体が剣の間合いまでライトを入れていた。


 それが放つのは横一閃。


 それをしゃがんでかわし、アッパーをするようにゴーレムの胸に範囲を絞り魔力を浸透させ、バンカーバスターで爆発させる。


 大穴が開いたゴーレムはゆっくりと倒れ込んだ。


 その大穴からゴーレムの内部構造が見えるが元々なかったのか、バンカーバスターでもろとも吹き飛ばしてしまったのか、そこにコアらしきものはない。


 ライトはそれを確認しながらマントからルマク・ボウガンを取り出し、ミードへと群がろうとする一体のゴーレムへとその銃口を向ける。


「ストライク・エア!」


 魔力で圧縮した空気を爆発させて飛んだ杭はゴーレムの胸部に命中し、貫通した。

 ゴーレムの胸に指一本入る程度の穴ができはしたが致命傷にはなっていない。


「ちっ! やっぱこの程度じゃダメか」


「いいや! 助かった!」


 ミードは言いながらその指一本程度が入る穴へと向けて刺突を繰り出す。


 彼の剣のは正確にその穴を穿ち、そこを大きく広げた。

 その剣はさらに進みゴーレムのコア、マナティック・コンデンサを貫く。


 ミードはその手応えを感じて荒々しくその剣を抜き取ると他のゴーレム群から距離を取るために後ろへと下がる。


「おい!ライト!なんか案はないのか?

 このゴーレム供を一気に吹き飛ばすような魔術とかよ!」


 別のゴーレムの一撃を弾き、蹴りながらのミードは叫んだ。

 ライトはある場所を見ながらそれに返す。


「巻き添えにしていいならそうするけど?」


 彼の視線の先には新たに床から作り出された三体のゴーレムがいた。


(でも、このままだとジリ貧だ。

 あんまりやりたくなかったけどこうなったら仕方ない)


 ライトはあることを決めるとミードへと言葉をかける。


「なぁミード。運は良い方か?」


「良いと思っていた時期もあったが……?」


 おそらく何か言おうとしたのであろう、少しの間を置いてその言葉がライトの耳に届いた。


「はは、上等!マーシャル・エンチャント」


 ライトは妖しい笑みを浮かべると足を上げた。

 その足に思い切り踏みつけられるであろう場所には床しかない。


「ハァッ!?!?

 お前、まさ––––」


 だが、ミードは彼がしようとしているのかに気が付き、止めようとライトの腕をつかみ言葉を飛ばそうとしたが、それは数瞬遅いものであった。


「バンカー・バスター!!」


 飛ばされかけた制止を無視し、ライトは上げた足で思っ切り地面を踏みつけた。

 それにミードは反射的に息を呑み、ライトの肩を掴んでいた手にさらに力を入れた。


 その瞬間、床が爆発。


 そして、その下には空間があったらしく、彼らは土煙や瓦礫とともにそこへと落ちていった。

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