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【第0話(プロローグ)】 託された光
白。
すべてが、いったん、静かに消えた。
音も、形も、名も。
ただ、光の粒だけが漂っていた。
やがて、その中に一行が浮かぶ。
――第十三条
無垢なる者に、未来を託すものとする。
その文は、
誰かの祈りのように、世界の底で脈を打っていた。
時間が経ち、
風が戻り、
人がまた、呼吸を始めた。
《無垢ノ地》。
――壊れた世界が、もう一度歩き出す場所。
そこにひとりの少女がいた。
頬を撫でる風に、
ほんのりと“あの頃のぬくもり”が混じっている。
ノートを開き、彼女は書く。
法は、未来を生きる人の為にある♡
風が揺れ、若木がひとつ、微かに震えた。
その瞬間、
世界は、また静かに息を吹き返した。
――カンッ。
音がひとつ、
未来の扉を叩いた。




