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AIより変態な私にAIがブチギレてきた!  作者: 弐屋 丑二


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7/21

社長様

「課長様、私にも仕事をください!」

ウマミイはくれすがデスクに座ってお茶を飲み始めたタイミングで手をあげて要請する。ヤマダがウマミイを見て

「俺のソシャゲのアイテム発掘してもらっていいっすか?」

即座にくれすが

「タロウ!それはハラスメントだって教えたでしょ!鈴中さんもタロウの言う事は聞かなくていいからね。これは課長命令です」

そう言ってウマミイに手招きをする。ウマミイが嬉しげにデスクへと向かうと

「パートのちえみさんの戻りが遅いので、社長室前まで行って見て来てください。社長室内には入らないで良いです」

「了解しました!」

ウマミイは何かを勘違いした様子で敬礼すると、素早く企画部から出て行った。


エレベーターで最上階へと行き、廊下を歩いて社長室前へとウマミイは到達する。

社長室と銀のプレートに刻まれた重厚な扉の横の窓から中を眺めると、ちえみが社長室内の地球儀を勢いよく回転させたり、飛行機の模型で遊んだりしていて、慌てたウマミイは言いつけを無視して社長室へと入ってしまう。


「ちえみさん!何してるんですか!?」

模型を右手に

「ぶーん」

と駆け回っているちえみに、焦ったウマミイが駆け寄るとちえみはニッコリと美少女スマイルしてきて、社長室の横の扉に向け

「おさむちゃーん、罠にかかったよー」

と呼びかけた。

ガチャリと扉を開く音がして、スーツ姿の長身男性が出てくる。明らかに高級エリート且つ全身から大人の余裕と教養がにじみ出ているような雰囲気と、完璧に似合っている眼鏡と髪型そしてスーツ、腕には傷一つない銀時計、もはや後光が差しているような男の、人間としての格の違いにウマミイは思わず

「うわっ眩しっ!」

怯んでしまう。ちえみはニコニコしながら男の手を引いてくると

「鈴中さん!社長のおさむちゃんでーす」

彼は完璧な笑顔で

「鈴中さん、ようこそわが社へ。社長の床川修と言います。よろしく」

手を差し出された鈴中はどうにか握り返すと

「しゃしゃ……社長様!新人の鈴中です!よろしくお願いします!」

頭を何度も下げてそう言った。二日目にして早くも挨拶のマナーが崩れつつある鈴中に、社長は優しく微笑みながら

「今は次の仕事への待機中でね。少し私と話していかないかな?」

「おさむちゃーん、また三国志ですかあ?」

呆れた表情のちえみに社長は頷いて

「それも良いかも知れないが、まずは鈴中さんの好みを知りたいな」

ウマミイに微笑んできた。ちえみが社長のデスクから椅子を引いてきて社長を座らすと、自分とウマミイ用にパイプ椅子を待ってきて置いていく。

「座ってくださーい」

「はっ、はい」

ちえみとウマミイが並んで座ると社長が

「出身は床川記念大学世界情報学部だったよね?」

「はっ、はい!ゼミの京出川教授が就職のお世話をしてくれました」

社長は頷いて

「彼は帝都中央大学の同期だよ。変なやつだろう?」

「いっ、いえ!モンゴル帝国大好きの楽しい教授でした!」

社長はニヤリと笑うと

「鈴中さんはモンゴルの世界侵攻は何処で止まるのがベストだったと思う?彼らが統治の維持ができる最大範囲は?」

ウマミイは必死にしばらく考えると

「あの、社長様、多分何処で止まっても統治の維持はできなかったと思います」

「それは何で?」

「教授の受け売りですけど、遊牧民は平等を重んずるので、ピラミッド型の統治機構を作ってしまう農耕民とは相容れない……と思うんです」

社長は微笑みながら

「ちゃんと学んでるね」

ちえみがノンビリした口調で

「次の時代へのかざあなを開けるためのむーぶめんとだったって、おさむちゃんは、よく言ってまーす」

ウマミイは驚いた表情で

「ちえみさん、歴史わかるんですか?」

「おさむちゃんにたーくさん聞かされてまーす」

社長は立ち上がると

「鈴中さん、ありがとう。ズーム会議の時間だ。ちえみさんと企画部へ帰ってあげてね」

「おさむちゃん、1人で帰れますよー」

社長は微笑んで頷くと横の部屋へ入って行った。


ウマミイはちえみと社長室を出てちえみに恐る恐る

「ちっ、ちえみ様って呼んだほうがいいですか?」

尋ねると首を横に振られて

「ちえみちゃんで宜しくお願いしまーす。みいちゃん」

ニッコリと美少女スマイルを返してくる。ウマミイは呆けた様な表情をしたあとに何度も頷いた。

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