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AIより変態な私にAIがブチギレてきた!  作者: 弐屋 丑二


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4/21

部長様

ウマミイが立ち尽くしているとヤマダがゲームを見ながら

「奥の立派なデスクがスズナカさんの席っす」

右腕を伸ばして窓際の広いデスクを指さしてくる。ウマミイは真っ青な顔をしてどうにか頷くと、デスクの椅子を引いて座った。

そして呆けたように天井を見上げ、固まったまま動かなくなってしまった。


三十分ほどその状態のまま時が流れ、ソリューション企画部に、Tシャツとジーンズ姿の私服で小学校高学年の子が使うようなピンクのポシェットを肩に掛けたショートカットの目鼻立ちが整った可愛らしい美少女が入ってくる。ヤマダは相変わらずゲームをしながら

「ちえみさん、チッス!」

適当に腕だけで挨拶をした。ちえみと呼ばれた美少女はニコニコしながらウマミイに近寄って

「おはようございますー」

挨拶をしてきた。ウマミイはハッと気づいた表情で立ち上がると

「おはようございます!」

頭を九十度の角度に下げた挨拶を返す。

ちえみはニコニコしながら

「私がーソリューション企画部の部長のーなかまちえみですーようこそ我が部署へー」

ゆっくりとそう告げてきて、ウマミイは冷や汗を垂らしながら

「なかま部長!これからよろしくお願いします!」

再度頭を下げた。何故かヤマダが噴き出して咳払いをすると再びゲームを再開した。

ちえみは得意げに胸を張ると

「鈴中さんにはーこれから我が部署のエースとしてー働いてもらいますー」

「はっ……はい!」

「ポルメニアとの交渉の通訳などもー期待していますー」

ウマミイはようやく安堵した表情になり

「はい!大学でポルメニア人の友人がいたので、ある程度はしゃべれます!」

ちえみはニコッと美少女スマイルをすると入口の扉に向けて

「ぶちょー!特別面接終わりましたー!」

大きく声をかけた。


扉が開いて、特徴のない感じで中年と青年の中間の様な雰囲気のスーツ姿の男性が入ってくると

「鈴中さん、ごめんね。この子パートのちえみさん、そっちは平社員のヤマダ君。少し試させて貰いました」

「は!?えっ……!?」

ウマミイは混乱した表情で二人を見回す。

「あと、そのデスクは部長席。気に入ったなら譲るけど」

ウマミイは慌てた表情で横に飛び退き恐る恐る男を見上げる。彼はニコッと笑うと

「私がソリューション企画部部長のナカマショウジです。鈴中さん今日から宜しく」

深々と頭を下げてきた。

ウマミイは急にポーッと熱病になったかのようにナカマを見つめ

「……部長様あ……これからよろしくお願いしますう」

頭を下げ返した。


その後、ウマミイはナカマ部長自らの会社案内に同行したが、部長の説明の内容を聞いている様子は一切なく、ずっと浮ついた表情で部長の顔を熱っぽく見あげていただけであった。


夕方5時になり、定時で帰宅していく部長、ちえみ、ヤマダと共にタイムカードを押して会社を出る頃には、親についていく雛鳥の様に三人と同じ方向へと行こうとして部長から

「鈴中さんの家に向かうバスがそろそろ来るよ?」

止められ、ようやく我に返ると

「部長様!本日はありがたき幸せ……じゃなくてありがとうございました!」

頭を深々と下げた。


マンション帰宅後、ウマミイはスーツを全て脱ぎ捨て下着姿で床に大の字で寝転ぶと

「何て……素敵な大人……好き……大好き」

ポツリと呟いて、いきなり四つん這いになり

「部長様あ……ウマミイに鞭をくださあい……ああんっ……社会のこと何も知らない駄馬なんですう」

よくわからないことをブツブツと呟きながら室内を回り始めた。

スマホから警報が鳴り響き

「ウマミイ!正気に戻りなさい!」

ルリが叫んでくる。ウマミイは呆けた表情でスマホを手に取ると画面に映ったスーツ姿のルリに

「……ルリ様、部長様って何か私の好きだった人によく似てて……もうっ!絶対に付き合いたいの!」

ルリは冷静な声で

「音声で推測するに、朝のテストはウマミイの知性や柔軟性を測っていたわ。真偽を見抜く力もね。背後に何らかのAIが居そうな気配よ。しかもそれほど賢くなさそう」

ウマミイは頬を染め

「何でもいい……ああっ……好きに弄んでもっと恥をかかせて欲しい……」

「とにかくスーツはハンガーにかけて、お風呂に入ってご飯を食べて」

ルリが呆れた口調でそう言うと、スマホの画面は消えた。

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