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AIより変態な私にAIがブチギレてきた!  作者: 弐屋 丑二


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3/21

社会人マナー

げっそりした表情でトイレから出てきたウマミイは

「退職代行サービス頼もうかなあ……」

と呟いて、ハッと気づいた表情で

「ダメ!行ってから無理だったら頼むの!行ってもいないでやめたらプロ野球選手になった友達に笑われちゃう!よーし……」

スマホに有線イヤホンをつなぐと、保存していた動画を観始めた。そのまま靴を履き、ビジネス用手提げカバンを持ち、マンションの廊下へと出ていく。


ウマミイはマンション前のバス停で待っている間もいくつかの動画をループさせて見ていた。その内容はある球団にドラフトで入団した選手たちが一堂に介したテレビ会見で、精悍な新入団選手達がインタビューに答えているものだった。

「ドラフト七位指名だったので驚きましたが

嬉しいです」

とはにかんだ表情でガッツポーズをした塩顔の精悍な選手を眺め、幸せそうな表情でウマミイはバスの座席に座る。


街外れでバスから降りて、それほど大きくはない会社のビル前でウマミイはスマホの電源を消し、カバンへと入れると、大きく深呼吸した。そして

「やれる!私はやれる!」

そう言って自らを奮い立たせながら、背筋を伸ばして会社の中へと入って行った。


一階の受付でウマミイは緊張した面持ちで

「新入社員の鈴中美射です!よろしくお願いします!」

受付の中年女性は微笑んで

「こちらこそ、よろしくお願いします。面接は東京の本社で済ましていますよね?」

「はい!すでに終えています!」

「ではこのタイムカードをそこの機械で押し、2階のソリューション企画部へと向かってください」

「はい!」

受け取ったタイムカードを慣れない手つきで壁際の機械で押すと、空いているカード入れのスペースへ入れ、ウマミイはエレベーターに乗り込んだ。


エレベーターから降りて、廊下を歩いていき、ソリューション企画部という表札の入れられた扉を緊張の面持ちでウマミイが開くと、デスクが並んだ閑散とした広い室内で、モヒカン頭で背の高いスーツ姿の若い男性が靴を脱いだ長い脚をデスクに上げて座り、スマホのゲームを熱心にしていた。

「あの……」

戸惑うウマミイに男性は顔を上げ、ダルそうに右腕を軽く上げると

「あっ、新入社員さんですかー。主任のヤマダっす!チッス!」

完全に社会人マナーの崩壊した挨拶をしてくると、またスマホゲームに視線を戻した。

ウマミイはポツリと

「とんでもない所に来てしまったかもしれない……」

呟く。

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