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AIより変態な私にAIがブチギレてきた!  作者: 弐屋 丑二


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13/21

ローカルニュース

ウマミイが開きっぱなしの門をくぐると、引き戸が半開きになった玄関の中から課長が顔をのぞかせて

「どうぞどうぞ」

と手招きしてくる。

ウマミイが恐る恐る玄関に入ると一瞬頭の中に


「あんたは入ったらダメえええええ!」


という少女の声が響き渡り、凄まじい悪寒と身体の重さにその場にしゃがみ込む。

しかし次の瞬間には


「えっ……ちょっと……待っ……」


という慌てた少女の声と共に全ての苦痛は消え失せ、ウマミイは立ち上がった。屋敷の奥では部長の

「おおおおおお!れいかがいなくなった!」

という喜びの叫び声が響き渡る。

課長はウマミイを見ながら

「……鈴中さん、もしかして磁力消すとか、そういう体質?」

「そっ、そういうの言われたこともないです……」

課長は興味深げにウマミイを見つめると

「とりあえず入って」

靴を脱ぐように勧めた。


ウマミイは長い廊下を歩いていき、大きなちゃぶ台やテレビ、パソコンが置かれている広い和室に通られる。

座布団にウマミイが座ると課長は

「今、タロウとボスが昼飯作ってるから、少し何か話そうか」

ウマミイは頷いて

「あの、部長様と課長様はお付き合いしているんですか!?」

単刀直入に最も気になっていることを聞いてしまう。課長は驚きもせず

「付き合ってないし、ボスは誰とも付き合ってないよ」

ウマミイは両目を輝かせ

「ほんとにっ!?……あ、、失礼しました」

課長は少し残念そうに

「めちゃくちゃモテるんだよねえ……それこそ人間じゃないものにも」

「人間でないものとは!?……すいません」前のめりな自分をウマミイはどうにか修正して正座し直す。課長はキャッキャと笑い出して

「可愛いなあ……私にもそんな時期があったかなあ」

目を細めると

「……信じられないと思うけど、幽霊とAIにもボスは愛されてて、当然、同居してる私とちえみちゃんもボスを狙ってるんだけど、何処にも手を出してない」

ウマミイは混乱した表情で

「部長様は何がお好きなんですか!?」

課長が苦笑いしながら

「それは本人から訊いて」

と言ったところで、ヤマダと部長がお盆に乗せたうどんを人数分持ってきた。


「いやーゆうかが居なくなって、身体が何か軽いな」

うどんをすする部長をウマミイはチラチラ見ながら自分も食べ始めた。ヤマダが点けたテレビからお昼のローカルニュースで

「宗教法人タヌポーズエクストラに脱税の疑いで家宅捜索が入りました」

と流れてきて、部長がうどんを噴きそうになり、なぜか慌ててスマホの電源を切った。ヤマダと課長も黙ってスマホの電源を切ると、課長が大きくため息を吐いて

「この間は、みかなちゃんが公然わいせつで捕まって何とか保釈させて、今度は脱税?ってか宗教法人が脱税って何?」

部長がニュースを見ながら

「収益事業で脱税とかは普通にあるんだよ。でもこれ、どうやら関連会社との資金還流で脱税に宗教法人を通した疑いらしいぞ」

ヤマダが興味なさげにうどんをすすりながら

「そもそも関連会社のことも知らなかったって、いつもの弁護士先生が無罪を訴えてるっすね」

課長は完全に理解したというような表情で

「AIさんでしょ……これ」

部長が舌打ちして

「マスコミから逃れるためにみかながうちに来るなこれは……」

直後に屋敷の外で大型バイクの排気音が響いて、部長と課長が立ち上がり玄関へと出ていく。

残ったヤマダがウマミイに真剣な眼差しで

「どんな男が好きっすか?」

「……いっ、いやー?好きになった人がタイプっていうか?」

ウマミイは何とかかわしつつも、テレビを見つめるふりをする。

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