浴衣を着る
部屋に戻った私たち。もう一度、化粧をする。その姿を興味津々で、ジッィと見ている衣織ちゃん…。「”…やっぱり、女の子は、興味あるよね”…。」 子供の衣織ちゃんの肌は、とても綺麗。髪なんか、天使の輪ができてて、ツヤツヤで…羨ましい…。「”私もお化粧したい”…。」 ”衣織ちゃんスッピンでもいいのに”…。リップくらいなら……。でも、私、リップは、使ってるし…。と、けいちゃん、「”私、使ってないリップ、あるから、つけてるみる?衣織ちゃん?”」 「”つけたい”!」 けいちゃんの元へ飛んで行く、衣織ちゃん。けいちゃんは、化粧ポーチから、リップマニキュアを取り出した。真っ紅なリップ。「”ちょっと待ってね”♪」 サッと衣織ちゃんの口びるにさして…「”できたよ♪”」 と、けいちゃんが、持っている、スタンドミラーを衣織ちゃんに見せ、自分の顔を、見る衣織ちゃん。「…!?…。」 初めての、くちベにに、目がキラキラと輝く衣織ちゃん。「”ピンクの口びるだからね…。ちょっと、濃いかな?と思ったけど、気に入った”?」 とけいちゃん。「”うん!ありがとう!けいちゃん”」 私は、スマホを手にすると、衣織ちゃんとけいちゃんの写真を撮った。後でプリントして、皆にプレゼントするため。実は、私、海でも、写真を撮っていた…。ちょっと休憩…と、言って、浜に戻り、パラソルの下に、置いておいたスマホで、写真を撮る私。こっそり撮った…”河本主任”の写真…。”あの泳いでる姿も撮りたかったなぁ”…。と…ドアをノックする音。「”…?…あ、そろそろかな…はい。どうぞ。”?」 「”失礼致します。浴衣の着付けに参りました、貝瀬と申します。”」 私は「”よろしくお願いします。”」 と貝瀬さんに挨拶をした。「”着付けが終わりましたら、御夕食に、なります。”」 と笑顔で挨拶を返す貝瀬さん。先にけいちゃん、まきちゃん、私、衣織ちゃんの順に手際良く着付けていく貝瀬さん。…と、衣織ちゃん、恥ずかしいのかな?私の後ろに隠れちゃった。その様子を見た、貝瀬さん。ニコッと笑い、「”さ…次は貴女の番よ。とびきり”オシャレ”に”可愛く”しなきゃね”!」 と衣織ちゃんに話しかけた。衣織ちゃんは、その言葉に、嬉しそうにして、貝瀬さんに浴衣を着付けて貰っている。髪もセットしてもらい…「”髪は、こんな感じかな?…ふんわり感が強い、へこ帯だから…こうかな?…どう”?」 髪は、可愛らしく、ふんわりとまとめた髪、紅いリボンのバレッタで止め、濃いピンクの浴衣を着た、衣織ちゃん。浴衣の帯は、白とピンクの”花”が咲いた様な、結び方。「「「衣織ちゃん、可愛い!!」」」 3人共、可愛らしくなった衣織ちゃんにメロメロ♪衣織ちゃんは、貝瀬さんにとびきりの笑顔で「”ありがとうございます”!」 とお礼を言っている。
《浴衣を着る》
俺は、まきさん達から、貰ったパンフレットを見ていた。貰った数枚のパンフレットには、クラゲ水族館の案内やご当地グルメ、アート美術館など…。「”クラゲ水族館からは、結構距離があるな。時間的には”…」 と、部屋の電話が鳴った。豊川君が出て、用件を聞いて、電話を切る。そして俺と英に声をかけた。「河本主任、英さん、夕食の時間だそうですよ。」 俺は、パンフレットを一度、テーブルに置くと、立ち上がり、英達と食事の会場へと向かった。




