車の中
海へ向けて出発した俺たち。ここから、西へ向かう…。この辺りは、太平洋側に抜けるより、日本海側の方が近く、今回行くルートは、俺も知っている道だが、途中からはよく分からない。”彼女”曰く…。「”高速を使って、山側から、行くのもいいけど、こっちがよく行くから。”」 と俺に教えてくれた。後ろでは、英たちが衣織を中心にして、話しをしている。「いおりちゃん、好きな食べ物は?」 「グラタン、後、おそば!この前お昼に、パパ達と食べたの!白いおそば!後ねカレーライス!でもにんじんは嫌い。」
「おそば?渋いね!」 と、英。助手席に座っていた、彼女も、「にんじん嫌いなの?私と一緒だね。でも、白いお蕎麦って?更科そば?」 「あ、それ、多分、麦切りの事です。」 「そうなんだ。」俺も運転しながら、話しに混ざる。と…ここで豊川君とけいさん…。「いおりちゃん、海楽しみだね!…水着持ってきた?」 「うん!持ってきた!後ね…。」 「!?衣織、水着持ってきたのか?!」 俺は、慌てた。「皆、持ってきたのか?」と、皆に尋ねた。「俺は、持ってきました。私達もと…まきさんとけいさん…。」
「ひ…英は?」 「俺も一応…。」後は、”彼女”だ。「私持ってきてない…というか…。」 彼女と一緒になって、「実は俺も…持ってきてない。」 その答えに、5人とも、声を上げた!!
《車の中》
河本主任の運転で海に向かって出発した私達。衣織ちゃんの楽しそうな、話し声で車内はとっても賑やか♪私は、楽しそうな衣織ちゃんの姿にホッとしていた。が…けいちゃんと豊川君の”ある一言”で、車内は突然、私と河本主任へのスコールが襲いかかった。「「”水着持ってきてないって…。じゃぁなんのために、行くの”?!」」 「「河本主任、河本君…せっかくの海なんだよ!?何故?!」 」質問の嵐…。河本主任は、「てっきり、海に入らないかと…。」 「「この暑さで海に入らないなんて、おかしいでしょ!?」」 「パパ…海で泳げないの??」 私は事情を説明した。「あ…あのね…水着が無かったわけじゃないくて…。その…”ある”にはあったんだけど…。」 モジモジしながらも、私は、思い切って、「あったにはあったの!でも、昔着ていた…その…”ビキニ”なの…!今は恥ずかしいし…それに…今の水着ってよく分からない…キャッ!?…。」 5人とも一斉に… 「「「ビキニ!?キャッ!?」」」 「「海ちゃんが?!ワッ?!」」 「キャッ!」「「青野さんが!?…ウッ」」私の”言葉”に驚いたのか、急ブレーキをかけた河本主任…。私は、慌てて、車の後ろを見た。後ろから、車が来てなくて良かった…。それでも…
顔が、真っ赤になった私…。実は私も、海で泳ぎたくて、昔買った、ネイビー色の、ビキニを試着したら…痩せた身体には…全く合わず…もういいや!と匙をなげていた。「そ…それでね…けいちゃん、まきちゃん、海に行く前に、その…水着買いたいから…コーデしてくれない?…私分からなくて…。」 それを聞いた、まきちゃん達の、目の色が変わった!
「「任せて!!とびきり、いいのを選んであげる!」」 と声を揃えて、話した。私は、運転し始めた、河本主任に、真っ赤になりながら…
「河本主任…すみません。町が見えたら、案内…しますので…その…お店に寄って…」
「分かりました!!!大丈夫ですよ!!」
「海で泳げるの?!」と衣織ちゃん。
「泳げるよ!パパも”うみちゃん”も…!!」
…今…”うみちゃん”って言った?




