喋り上戸
伊原さんが白鳥さんの話を…と…私に
「青野主任…サーロインかランプ、ロース、モモ、…どっちがいいって?」
「…え?!」
ここ寒雀ではステーキのお肉を選べるんだと
「…凄い…。前は2種類だったよ?」
伊原さんびっくり…!白鳥さんが伊原さんに…
「12月24日から1月24までの期間限定なの。…あ、総料理長が、つき様、おめでとうございます。だそうですよ?…何かおめでたい事でもあったの?」
白鳥さんが伊原さんに尋ねた。
「…総料理長がなんで?…あ、いえ…実は…その…結婚…いや、再婚する事になりました。」
「本当に?!」 「はい…。」
白鳥さんびっくり!
「おめでとうございます!!…あ、だから総料理長、凄く喜んでたのね。昨日の夕方、伊原様のお母様が職場の方と忘年会で、こちらにいらしてね、総料理長に何か、お話してたのよ。今日、チェックアウトされて…。」
「…母が来てたんですか…(汗)」
「えぇ。」
「…(汗)」
白鳥さんが加藤主任の顔見た…。
「…加藤様…おめでとうございます♪お幸せにね♪」
「…ありがとうございます…。」
…白鳥さん…凄く嬉しそう。
「ステーキ…サーロインでいいかな?」
話題を逸らす様に白鳥さんに伝えた、伊原さん…。
「サーロインね。あ、アイさんはロースよ。」
「なら、施設長だけ…。」
「畏まりました。」
白鳥さんが席を離れた。
「…母さん…来てたんだ…。酒飲んだのかな?」
「お母様、お酒飲むんですか?」
「…」
伊原さん、心配そうな顔してる…。
「…母さん、普段は静かな人だけど、酒飲むと、うるさい位話すんだ…。話すのは良いんだけど、デカい声で通るからうるさいんだよね。お酒飲むと変わる人っているけど…変わりすぎ。」
…肩でため息をつく伊原さん…。
「…あ…煮えてきた♪」
…ふぐ鍋の土鍋からコトコトと…
「…いい声だなぁ…。」
声か。…美味しい声が聞こえ始めた…♪




