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施設案内

任命式を終えた俺は、施設総部長の近衛京子部長と共に、各エリアを回り始めた。まずは1階から、1階総合ステーションを始め、ものづくりエリアを回る。受講生達は、講義を受けながら、実習を行っていた。その様子を見ながら、次は2階へ移ろうとした際、近衛部長が「もう1ヶ所案内します。そこは、この施設の懐刀見たいな所かな?」

と歩きながら説明する。その場所の入口に案内される…ドアには、「”業務サポート課”」と記されていた。俺はさっきの任命式にいた、福山美鶴課長を思い出した。スラリと背の高い彼女は、シンプルなスーツ姿、薄い化粧をし、髪結ゴムで髪を1本に束ねている。”コンコン”ドアをノックし、中に入る、中はデスクとパソコン。それから、棚には、沢山の資料や書類関係、物品といった物が所狭しと置いてある。福山課長は近衛部長に近寄り、何か話しをしていた。”例の彼女の件、どうなりました…?”…”その件は施設長と話したよ。OKだって。”藤原さん”なら任せられるし、まして、パソコンの扱いも慣れてるからうってつけだろうって…”生々しい会話に俺は思わずギョとする…。何故なら、こういう”話し”を大っぴらに、しかも、新人案内中の部長に話す驚きを、隠せずにはいられなかったからだ。普通こう言った個人情報的な話しは、部長室か会議室で人目を忍んで話すもの。だと思っていたからだ。ここでは普通に会話している、信じられない光景に俺は動揺せずにはいられなかった。その様子を見た、福山課長は俺に、そっと近寄り、自分の唇に人差し指を当て、”ナイショね”のポーズを取って見せた。近衛部長もコソッと”内密に”と囁いた。

…あ…はい。…これが精一杯の返事だった。2人共、微笑みながら言ってきたが、目は笑っていない。”…怖ぇぇ…。”…上役とはこういうモノ…なのか?と思いながら、近衛部長と俺は業務サポート課を後にした。次は2階へと移動する。2階は総合ステーションを中心に右側はPC科、トレーナー講師習科、左側が語学を学べる、教育エリアに別れていた。見れば見る程、変わった間取り。俺は堪らず、近衛部長に聞いた。

「変わった間取りですね…なんか…病院?の建物みたいです…。」と。

「当たり。良く分かったね。ここは昔、病院だったの。建物を改装したんだよ。2階は病棟だったね。」近衛部長は話しながら、まずは…教育科から…案内を始めた。7室ある内の5室は語学。ついで2室は簿記や会計などの経理。1番端の個室から廊下を挟み通路右側には3つ個室があり、そこは面談室と会議室になっている。続いて、右側はトレーナー講習科。部屋に入ると4部屋分の壁を抜いて作られた広い空間には、トレーニングジム並の設備になっている。そして、最後の部屋は俺が所属するPC科になっている。こちらも、広く、最新式のノート型パソコンをはじめ、旧型のパソコンが並んでいる。近衛部長が”最後に”…と案内した場所が”介護福祉科”だった。介護福祉課は右奥の1番大きな部屋になっていた。

「介護福祉科は他の”科”と違って、独特だからね…。」

近衛部長がそう話すを俺は黙って聞いていた。

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