更に惚れて
「いただきます。」
雷斗さんが肉じゃがのお麩を口に運んだ。
「凄い美味い!」
良かった…。
うみが作った肉じゃがを食べた。美味い♪この肉じゃが、焼き麸が入っていた。その麩が肉じゃがの汁を吸って、味が染みて…白飯と良く合う!白飯が進む!!…と…
「雷斗さんの実家の肉じゃがとは、違う?」
うみが俺に聞いた。
「俺ん家はね、じゃがいもとかの具材は同じ。糸こんと麩は入って無いよ。肉は、豚だよ。」
「…やっぱりそうですよね…。」
?うみ、不思議そうな顔してる。
「うみ、どうしたの?」
「…私の家の肉じゃがって、にんじんと玉ねぎが入らないくて、お麩と糸こんが入るんです…。」
「…マジで?…(汗)…」
「はい…」
「なんで…玉ねぎ無し?」
「叔母が玉ねぎが苦手でした。」
「そうなんだ…」
「でも…高校の授業で肉じゃがの作り方見て、驚いちゃって…(汗)」
「家庭科の基本料理ってヤツ?」
「うん。でも…家庭科って言わなかったかな…」
「?」
うみの通っていた高校は、普通科の高校だけど、普通科だけではなく、家庭科とは言わず、別の言い方をした授業だったんだとか。その授業で基本の肉じゃがを習ったんだとか。
「確か…食物。もう1つは被服…となってましたね。」
うみ…料理が美味いのはこの時に習ったからかな?けど…
「うみ、管理栄養士免許持ってたよね。」
「持ってますけど…そんなに…。」
ここに来てからは、最初こそ講義をしていたけど…今は業務課の主任。…最近は、その免許を活かしてない。けど…本人は、特にらしい…。
けど、ちゃんと、俺の健康を管理してくれているのは、分かる。付き合ってた頃から、変わらない。
「今でも、俺とかの健康、気にしてくれてるよね?…薄味にしてくれたり…」
「…どうして分かったの?」
「分かるよ。うみの作る料理、少し濃いめに味付けしてある時は、俺が疲れてるの見抜いてる。…ありがとう。」
…うみを見た。うみは…
「…雷斗さん…。気付いて…」「うん。」
実際うみの作る料理…美味い。だから更に…惚れた。




