朝のフロント
スマホを手にした伊原さん。
「フロントは多分大丈夫だと思うけど…」
電話していた。
「おはようございます。寒雀でございます。」
「…おはようございます。明日予約してる、伊原ですが…はい。」
……
「あ、伊原様!おはようございます。先程、メールを確認させて頂きました。申し訳御座いません。部屋増し料金の事をお伝えするのを忘れてしまっていて…。」
「大丈夫ですよ。明日は、よろしくお願いします。…あ、明日なんですが、受付を設けたいので、ロビーの1箇所をお借りしても大丈夫ですか?」
「でしたら、長テーブルと椅子を御用いさせて頂きます。」
「分かりました。」
「あ、…少々お待ちください。」
「え?」
…伊原さん??
「もしもし?伊原さん?猫田です。」
「支配人。…おはようございます。この前は、ありがとうございました。…あのですね…」
「うん。大丈夫。」
「ありがとうございます。それと…」
「何?」
「藤さん、からかったでしょ(笑)」
「うん♪遊んだ。」
「藤さん、本気にしてたよ?」
「でも、実際そうでしょ(笑)」 「違います。」
「まぁ何はともあれ、彼女どう?」
「初めてにしてコレだけ出来てるなら、大丈夫。」
「だよね?彼女、まだまだですって言うんだ。」
「なるほど。まぁ確かにお金が絡んでるからね。あ、では、明日よろしくお願いします。」
「分かりました。」
「失礼します。」
…電話が終わった、伊原さん。
「受付作って貰う。後は明日だな。」
「はい。」
「会費は悪いけど、明日受付で。…」
「分かりました。」
すると伊原さん
「うち、お金の…いや、計算が大苦手だからさ、もう一度、寒雀のスタッフと確認してから、会費を決めるよ。」
…分かる…私もお金の計算は苦手。と…
「伊原さん、1人、2万にして、余ったら、返金すれば大丈夫だよ。」
…あ、松原さん…。
「…足りなかったら?」
「その時は徴収して大丈夫。」
優しい物言い…。あ、だからかな?…この時、何となく解った。
松原さんが人気が出る理由
話し方がとても優しい。それでいて、穏やかな感じがした。
「分かりました。ありがとうございます。松原さん。」
「伊原さん大丈夫だからね。」 「うん。」
そう話して、松原さんはデスクへと戻った。
「帰ります…。彼が…待ってるんで…」
「お疲れ様でした。」
…伊原さんが帰った後…松原さんは
「…幹事って大変だから。」
……独り言を言っていた。




