SPゲスト
河本主任からの電話が来たのは、”日程”が決まった2日後…。凄い緊張と気不味そうな声で…。
「青野さん…じ…実は…。旅行に…あの…”娘”が…どうしても行きたいと…駄々を捏ねて…。」 電話越しに聞こえる絶叫と泣き声…。「パパ！ズルいぃぃ！！いおりも行きたいぃぃ！…夏休み、どこにも行かなかったもん！！パパだけズルい！！！」
”一体…何があったの”？…河本主任に尋ねた。…河本主任の話では、スマホで動画を観させてた時に、英くんから、電話が着て、”旅行”の話しをつい娘さんの前で、話してしまった…。とか…。私は、
「皆に聞いてみます。宿に、1名追加出来るかも。ただ、”奥様”大丈夫ですか？」
私は河本主任が、”離婚”しているのは、知っていても、直接本人から聞いた訳じゃないから、知らぬ振りをして、尋ねた。河本主任は、「…”妻からは、”一応OK”が出たんだけど…皆は…ダメ…かな”？」…さらに気不味そうに、話す河本主任。私は、「…多分…皆の事だから大丈夫だとは、思いますが、電話して確認しますね。折り返し電話します。1度切りますね。それじゃ、後ほど。」
そう話して、電話を切った…。すぐに、まきちゃん達に連絡した。答えはもちろん、OK！小さなゲストに、まきちゃんとけいちゃん…「お菓子とか食べるかな？ジュースも…。」 英くんは英くんで、「賑やかになるね！楽しみだよ！」 豊川君も「ぜひ！ちびっこ大歓迎！！！」もちろん、私も「大人ばっかりだけど…楽しんでくれるかなぁ？」 やっぱり、満場一致！
1時間後…。河本主任に折り返した。
「皆OKだそうです！宿の予約も追加出来ました。あ、そうだ。お子さん、何歳ですか？…まもなく9歳…？…分かりました。大人の料理食べれます？…大丈夫？分かりました。ではまた。」
と話して、電話を切った。
「…9歳になるのか…。子供居ないから解らないけど…あんなに…”泣く”のかなぁ？」 何となく、不思議に思った私。
河本主任から連絡が、来た次の日、私は、職場の村木さんに、尋ねてみた。
「村木さん。ちょっと、相談が…知り合いの子供さんが…。」
そう話すと、村木さんはこう私に答えてくれた。
「9歳かぁ…。うちの子達は、学校のスポーツ倶楽部とか、後は、家に居ることが、多いかな？…ゲームは、しょっちゅうやってるみたい。…ただ、その子、”何か”あって、精神的に、不安定な状態なら、一時的に、子供がえりしちゃうかもね？うちの子も、下の子が生まれた途端、子供がえりしちゃったもん。」
村木さんの”何か”…。それは”多分”…。私は、「ありがとうございます…。」 としか言えず、また、パソコンに向かった。
「まぁ…とにかく、皆、楽しんでればいっか…。」
私は、楽しみに、旅行の日にちが、来るのを待っている。
